ミラージュ2000N (航空機)

ダッソー ミラージュ2000Nおよびミラージュ2000D

ダッソー ミラージュ2000N（Dassault Mirage 2000N）は、フランスの航空機メーカー、ダッソーが開発した核攻撃能力を持つ航空機です。この機体は、ミラージュ2000戦闘機系列の複座型を基にしたものであり、核兵器の運用を目的としています。また、ミラージュ2000Dは、従来の核攻撃能力を排除し、戦闘爆撃機としての役割を持った派生型です。

ミラージュ2000Nの概要

ミラージュ2000Nは、フランス空軍の戦略爆撃機ミラージュIVの後継機として、1970年代後半に開発が開始されました。1979年には、2機の試作機が発注され、これによりミラージュ2000Nという名が与えられました。この名称は、「核攻撃機」を示す「Nucle'aire」という言葉に由来しています。

1983年に初飛行を成功させたこの機体は、1988年からフランス空軍での運用を開始しました。ミラージュ2000Nは、特に航空戦術において重要な役割を果たし、1991年以降は戦略空軍にも統合されました。

量産は2つのバージョンに分かれて進められました。最初のバージョンであるミラージュ2000N-K1は、ASMP核巡航ミサイルを専用に搭載する機体でした。さらに、ミラージュ2000N-K2型になると、レーザー誘導爆弾や他の通常兵器を運用可能としました。これらの改修は1998年から始まり、20年以上にわたり進められました。

ミラージュ2000Nは、2018年に退役し、数機が後平和平局などで保管及び試験に使用されています。

ミラージュ2000Dの発展

ミラージュ2000Dは、主にミラージュ2000Nからの派生機であり、核攻撃能力を持たない戦闘爆撃機として開発されました。この機体は、1990年代初頭にラファール戦闘機の開発遅延を受けて、ミラージュIII Eの代替機として生まれました。最初はミラージュ2000N´という名称が与えられましたが、名称の混乱を避けるために、Diversifieに由来するミラージュ2000Dに改称されました。

初飛行は1991年に行われ、1993年には本格的な運用が開始されました。その後、2008年に近代化改修計画が発表され、1993年から運用試験が続けられました。ミラージュ2000Dは、輸出可能な機体としても位置付けられ、果たして成功できるか期待されましたが、実際の発注はありませんでした。

機体構成とアビオニクス

コックピット

ミラージュ2000NおよびDのコックピットは、先進的なアビオニクスを備えています。VE-130ヘッドアップディスプレイやVMC-180ヘッドダウンディスプレイを利用し、航法情報や攻撃データの提示を行います。性能向上も見られ、近代化改修により、最新の技術を搭載したコックピットが実現しました。

アビオニクス

ミラージュ2000NおよびDは、対地攻撃用レーダーとしてアンテロープ5を搭載します。このレーダーは高精度の自動操縦飛行を可能にし、対地精密攻撃の運用において重要な役割を果たしています。さらに、自己防御用の電子戦機器も搭載され、戦闘環境での生存性を向上させています。

配備と運用部隊

フランスの航空宇宙軍の各飛行隊には、これらの機体が展開され、ミラージュ2000Nは特定部隊で運用されました。特に、ナンシー＝オシェエ空軍基地やサン＝ディジエ＝ロバンソン空軍基地に駐留していました。

このように、ダッソー ミラージュ2000NおよびDは、フランスの軍事航空において重要な存在であり続け、核攻撃機としてだけでなく、戦闘爆撃機としても長きにわたり活躍してきました。

もう一度検索