ミリアム・フリード

ミリアム・フリード

ルーマニア出身のヴァイオリン奏者、ミリアム・フリードは1946年9月9日にサトゥ・マーレで生まれました。２歳の時、彼女の家族はイスラエルのヘルツリーヤへ移住します。ピアニストだった母親から初めて音楽の手ほどきを受けたのはピアノでしたが、８歳の時にヴァイオリンという楽器に強く惹かれ、その後の音楽人生を決定づけました。イスラエル国内で、彼女はテル・アヴィヴにてヴァイオリン教師アリス・フニヴ氏のもとで研鑽を積みました。

基礎を築いた後、ミリアム・フリードは音楽の専門教育機関に進みます。1964年にルービン音楽院を卒業。その才能は高く評価され、名ヴァイオリニストであるアイザック・スターンの招きを受けてアメリカ合衆国へと渡ることになります。アメリカでは、世界的に著名な音楽院で更なる学びを深めました。ジュリアード音楽院ではイヴァン・ガラミアン氏に、そしてインディアナ大学ではジョーゼフ・ギンゴールド氏という偉大な指導者たちの薫陶を受け、ヴァイオリン奏者としての技術と芸術性を磨き上げました。

彼女の演奏家としてのキャリアが国際的に花開くのは、権威ある音楽コンクールでの輝かしい成績によってでした。1968年にイタリアで開催されたパガニーニ国際コンクールで優勝を飾り、続く1971年にはベルギーで行われたエリザベート王妃国際音楽コンクールでも頂点に立ちました。これらの二つの主要なコンクールでの連続優勝は、当時の音楽界において彼女の名前を一躍有名にし、国際的な演奏活動への扉を開きました。

ミリアム・フリードの活動は演奏にとどまりませんでした。彼女は後に教育者としても多大な貢献をします。1986年からは、かつて自身も学んだインディアナ大学で教鞭を執り始めました。長年にわたり同大学で指導にあたる一方、2003年からはマサチューセッツ州ボストンのニューイングランド音楽院でも講義を持つようになります。そして2006年、彼女の教育者としての活動の場はニューイングランド音楽院へと完全に移り、同音楽院の教授として後進の指導に専念することとなりました。

ミリアム・フリードは、ルーマニアに生まれイスラエルとアメリカで音楽的基盤を確立し、国際コンクールでの成功を通じて世界の舞台に躍り出た後、音楽教育の分野でも重要な役割を果たしました。彼女のキャリアは、演奏家としても教育者としても、クラシック音楽界における貢献を示しています。その卓越した技術と深い音楽性は、多くの人々に感銘を与え、また教育者としての活動は将来を担う若い音楽家たちに大きな影響を与えています。

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