ミリキア属

ミリキア属（学名：Milicia）は、クワ科に分類される植物の属の一つです。この属は、アフリカに自生する2つの樹種、ミリキア・エクスケルサ（Milicia excelsa）とミリキア・レギア（Milicia regia）によって構成されています。ミリキア・エクスケルサは、かつてはChlorophora excelsaという学名で知られており、ミリキア・レギアも以前はChlorophora regiaという名前で呼ばれていました。

これらの樹木は、その木材がイロコという名前で広く知られており、建材や家具などの様々な用途に利用されています。イロコは耐久性と美しい木目が特徴で、特にその高い耐腐朽性から、屋外での使用に適しています。しかし、伐採業者や市場では、これら2種が区別されることはほとんどなく、まとめてイロコとして扱われています。これは、両種が外見上非常に似ており、木材としての特性も大差がないためと考えられます。

ミリキア属の植物は、アフリカの熱帯地域に分布しており、現地の生態系において重要な役割を果たしています。しかし、イロコとしての高い需要を背景とした過剰な伐採が、これらの樹種の生存を脅かしており、環境保護の観点からも、持続可能な管理が求められています。国際自然保護連合（IUCN）のレッドリストでは、ミリキア・レギアが絶滅危惧種として登録されており、これらの樹種の保護に向けた取り組みが急務となっています。

ミリキア属に関する研究は、分類学的な観点だけでなく、遺伝学的な解析や木材の特性評価など、多岐にわたって行われています。これらの研究を通じて、ミリキア属の生物学的特性や、持続可能な利用のための情報が蓄積されることが期待されています。また、地域社会においては、伝統的にこれらの樹木が利用されてきた歴史があり、文化的な側面からもその価値を理解することが重要です。

参考文献としては、IUCNのレッドリストや、植物データベースであるThe Plant Listなどが挙げられます。これらの資料は、ミリキア属の分類や分布、保護状況に関する重要な情報を提供しています。

参考文献:
African Regional Workshop (Conservation & Sustainable Management of Trees, Zimbabwe, July 1996). (1998). Milicia regia. The IUCN Red List of Threatened Species 1998: e.T33905A9817793. doi:10.2305/IUCN.UK.1998.RLTS.T33905A9817793.en
* The Plant List (2013). Version 1.1. Published on the Internet; http://www.theplantlist.org/

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