ミロンガ

ミロンガ：アルゼンチンとウルグアイの情熱的な音楽とダンス

ミロンガは、アルゼンチン、ウルグアイ、そしてブラジル南部の音楽ジャンルであり、その音楽に合わせて踊られるダンスの形式です。ラ・プラタ川地域に起源を持ち、アルゼンチンとウルグアイの黒人コミュニティにルーツを辿ります。

ミロンガの歴史

1870年代には非常に人気を博したミロンガは、初期の「パジャーダ・デ・コントラプント」と呼ばれる歌の形式から発展しました。ブエノスアイレスで流行したミロンガは、「ミロンガ・シウダダーナ」としてタンゴの一種とされるほどに「タンゴ化」し、一時的に衰退しました。しかし、ブエノスアイレス以外の地域では、「ミロンガ・カンペーラ」または「ミロンガ・パンペアーナ」として、フォルクローレのジャンルとして生き残りました。

1931年にピアニストのセバスティアン・ピアナが『ミロンガ・センチメンタル』を発表したことで、タンゴとして扱われたミロンガは復活を遂げました。『軍靴の響き』などの曲は、タンゴ愛好家の間で人気を博しました。時代が下り、アストル・ピアソラも『天使のミロンガ』を作曲しています。タンゴのサイトTodotangoでは、ミロンガと分類されている曲が300曲ほど存在します。ミロンガ・カンペーラでは、アルゼンチンのフォルクローレの第一人者であるアタウアルパ・ユパンキの楽曲が有名で、中でも『牛車にゆられて』はよく聴かれます。

ミロンガのリズム

ミロンガの楽曲は、軽快な2/4拍子で構成され、しばしば即興的な要素が含まれます。時間の経過とともに、ダンスのステップや他の音楽からの影響が加わり、タンゴへと発展していきました。2/4拍子でありながら、リズムは変則的で、シンコペーションが効いています。通常、1拍目にアクセントが置かれますが、時には2拍目になることもあり、4拍目、5拍目、7拍目と続いて8ビートを構成します。

通常の2/4拍子：[1] 2 3 4 [5] 6 7 8

ミロンガのリズムの一例：[1] 2 3 [4] [5] 6 [7] 8, 時には [1] [2] 3 [4] [5] 6 [7] 8

ミロンガの形式

ミロンガには、いくつかの異なる形式が存在します。

ミロンガ・シウダダーナ: タンゴ関連の番組でよく聴かれるミロンガで、タンゴ楽団によって演奏されることが多く、タンゴとして扱われることもあります。

ミロンガ・カンペーラ: フォルクローレとして聴かれるミロンガの楽曲です。

ミロンガのダンス

ミロンガのダンスは、タンゴと同じ要素を使用しますが、脚と体の大きなリラックスが必要です。動きは通常早く、停止はほとんどありません。複雑なフィギュアはなく、リズミカルなウォーキングが中心で、タンゴよりも「ルスティック」な形式と言えます。

ミロンガのダンスには、以下の形式があります。

ミロンガ・リサ: ダンサーが音楽の全ての拍子でステップを刻む、単純なミロンガです。
ミロンガ・コン・トラスピエ: ダンサーがトラスピエまたはコントラパソス（一つの足から別の足に重心を移し、2拍の中で倍の時間か3ステップで再び元に戻す）を音楽の中で演出するミロンガです。

ミロンガは、その情熱的な音楽とダンスで、人々を魅了し続けています。

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