ミント・ジュレップ

ミント・ジュレップ：爽快な香りのカクテル

ミント・ジュレップは、バーボンウイスキーをベースとした、冷たくて爽やかなロングカクテルです。特に、ケンタッキーダービーの公式ドリンクとして世界的に知られています。

歴史

このカクテルの歴史は古く、南北戦争時代には既に飲まれていたという記録があります。一説によると、18世紀末から19世紀初頭にはその原型が存在していたとも言われています。ただし、当時のレシピは現代の標準的なレシピとは異なると考えられています。

ジュレップとは、カクテルのスタイルのひとつを指します。

標準的なレシピ

バーボン: 45〜60ml
ミントの若芽: 3〜6本 (飾り用を含む)
砂糖: 1〜2tsp
ミネラルウォーターまたは炭酸水: 20〜30ml
クラッシュドアイス: 適量

作り方

ミント・ジュレップの作り方にはいくつかのバリエーションがあります。ここでは代表的な2つの方法を紹介します。

作り方 その1

1. コリンズグラス、タンブラー、またはゴブレットにミント、砂糖、水（または炭酸水）を加えます。グラスの容量は240〜360ml程度が目安です。
2. バースプーンでミントを軽く潰し、香りを引き出します。砂糖がしっかりと溶けるように混ぜます。
3. バーボンを加え、グラスいっぱいにクラッシュドアイスを詰めます。
4. よくステアし、氷が溶けて量が減ったら、適量のクラッシュドアイスを追加します。
5. 最後にミントの若芽を飾り（このミントは潰さない）、ストローを添えて完成です。

作り方 その2

1. ミキシンググラスやオールドファッションドグラスなどの別のグラスに、ミント、砂糖、水（または炭酸水）を入れます。ミントをバースプーンで潰して香りを出し、砂糖をよく溶かします。
2. クラッシュドアイスを詰めたコリンズグラス、タンブラー、またはゴブレットに注ぎ、バーボンを加えます。グラスの容量は240〜360ml程度が目安です。
3. よくステアし、氷が溶けて量が減ったら、適量のクラッシュドアイスを追加します。
4. 最後にミントの若芽を飾り（このミントは潰さない）、ストローを添えて完成です。

その他の作り方

ミントの葉をバーボンにしばらく浸し、ミントの風味を抽出する方法もあります。
ミントの葉、砂糖、水を煮詰めてシロップを作り、それを使用する方法もあります。

備考

グラスは事前に冷却しておくことが推奨されます。
ミントはスペアミントやペパーミントが一般的ですが、好みによって種類や量を調整できます。
香りを強調するために、少量のミントリキュール（無色透明のもの）を加えることもあります。リキュールを使う場合は、砂糖の量を調整してください。
飾りのミントに粉糖をかけると、雪や霜のような見た目になり、涼しさを演出できます。
レモン、オレンジ、パイナップル、マラスキーノチェリーなどを飾ることも可能ですが、ミントの若芽は必須です。

バリエーション

ラム・ジュレップ: ベースをラム（ホワイトまたはゴールド）に変更
ジョージア・ミント・ジュレップ: ベースをブランデーに変更
シャンパン・ジュレップ: ベースをシャンパンに変更
ジン・ジュレップ: ベースをジンに変更

レシピの変遷

元々はワインをベースにして作られていたという説もあります。特にポートワインが使用されていたという説もあります。

競馬とミント・ジュレップ

ケンタッキーダービーでは、公式ドリンクとしてミント・ジュレップが提供され、競馬場では数万杯も消費されると言われています。

文学、映像作品とミント・ジュレップ

O・ヘンリーの短編「ハーグレイブズの一人二役」で、ミント・ジュレップの作り方が詳細に描写されています。
「宇宙大作戦（スター・トレック）」のノベライズ版では、ドクター・マッコイの愛飲するカクテルとして「MJ」という略称で登場します。

ミント・ジュレップは、その爽やかな風味と歴史の深さで、多くの人々に愛され続けているカクテルです。

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