ムクドリ科

ムクドリ科 (Sturnidae) について

ムクドリ科は、スズメ目に分類される鳥類の科であり、ムクドリという名前がついていますが、狭義にはその一種を指します。この科の鳥たちは、旧大陸とオセアニアの広い範囲に生息しており、一部は移入種として新大陸でも見られます。体長は16cmから30cm程度で、昆虫や木の実などを食べる雑食性です。

系統と分類

ムクドリ科は、マネシツグミ科と姉妹群の関係にあり、ウシツツキ科が次に近縁とされています。かつてはウシツツキ科をムクドリ科に含めることもありましたが、現在では独立した科として扱われています。

ムクドリ科は、6つの大きな系統に分けることが提案されており、それぞれ亜科または族として分類されることがあります。また、かつてはチメドリ科やキバシリモドキ科に分類されていたキバシリモドキ属も、現在ではムクドリ科に含まれています。

Sibley & Ahlquistの研究では、ムクドリ科にマネシツグミ科を含めるという説もありましたが、現在の分類では別科として扱われています。

属と種

国際鳥類学会議（IOC）によると、ムクドリ科には現生で31属118種が確認されています。以下に、その一部を紹介します。

Philippine Rhabdornis

キバシリモドキ属 (Rhabdornis)
キバシリモドキ (Rhabdornis mystacalis)
ムジキバシリモドキ (Rhabdornis inornatus)
ハシナガキバシリモドキ (Rhabdornis grandis)

South Asian/Pacific Starlings

カラスモドキ属 (Aplonis)
オナガテリカラスモドキ (Aplonis metallica)
以下、多数のカラスモドキ類。
キムネムクドリ属 (Mino)
キガオムクドリ (Mino dumontii)
その他、キムネムクドリ類。
オオサマムクドリ属 (Basilornis)
セレベスオオサマムクドリ (Basilornis celebensis)
その他、オオサマムクドリ類。
メガネムクドリ (Sarcops calvus)
カササギムクドリ属 (Streptocitta)
カササギムクドリ (Streptocitta albicollis)
スーラカササギムクドリ (Streptocitta albertinae)
アカマユムクドリ (Enodes erythrophris)
シュウダンムクドリ (Scissirostrum dubium)
キガシラムクドリ (Ampeliceps coronatus)
キュウカンチョウ属 (Gracula)
セイロンキュウカンチョウ (Gracula ptilogenys)
キュウカンチョウ (Gracula religiosa)
以下、キュウカンチョウ類。

Eurasian Starlings

ハッカチョウ属 (Acridotheres)
オオハッカ (Acridotheres grandis)
ハッカチョウ (Acridotheres cristatellus)
以下、ハッカチョウ類。
ムクドリ属 (Spodiopsar)
ギンムクドリ (Spodiopsar sericeus)
ムクドリ (Spodiopsar cineraceus)
Gracupica
クビワムクドリ (Gracupica nigricollis)
ホオジロムクドリ (Gracupica contra)
Agropsar
シベリアムクドリ (Agropsar sturninus)
コムクドリ (Agropsar philippensis)
Sturnia
カラムクドリ (Sturnia sinensis)
インドコムクドリ (Sturnia malabarica)
その他、ムクドリ類
Sturnornis
Sturnornis albofrontatus
カンムリシロムク (Leucopsar rothschildi)
バライロムクドリ (Pastor roseus)
Sturnus
ホシムクドリ (Sturnus vulgaris)
ムジホシムクドリ (Sturnus unicolor)
トサカムクドリ (Creatophora cinerea)

Red-winged Starlings

チャバネテリムク属 (Onychognathus)
アカバネテリムク (Onychognathus morio)
以下、テリムクドリ類

African Starlings

ハマダラムクドリ (Saroglossa spiloptera)
クロハラテリムク (Notopholia corruscus)
ムラサキズキンテリムク (Hylopsar purpureiceps)
ドウイロテリムク (Hylopsar cupreocauda)
テリムクドリ属 (Lamprotornis)
アカガタテリムク (Lamprotornis nitens)
以下、多数のテリムクドリ類
ホソオテリムク属 (Poeoptera)
アオテリムク (Poeoptera stuhlmanni)
以下、テリムクドリ類
ムナジロテリムク (Grafisia torquata)
ニショクムクドリ (Speculipastor bicolor)
ハジロムクドリ (Neocichla gutturalis)

Amesyst & Madagascar Starlings

Cinnyricinclus
シロハラムクドリ (Cinnyricinclus leucogaster)

絶滅属

ロドリゲスムクドリ (†Necropsar rodericanus)
カンムリムクドリ (†Fregilupus varius)

ムクドリが登場する作品

映画
『ムクドリ (2021年の映画)』：ホシムクドリが登場します。
音楽
* モーツァルトのピアノ協奏曲第17番：第3楽章には、ペットとして飼っていたムクドリのさえずりを基にした旋律が使われています。

ムクドリ科は、その多様な形態と生態で、鳥類の中でも特に興味深いグループです。この記事を通じて、その魅力の一端を感じていただければ幸いです。

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