ムハラー

ムハラー：ヨーロッパのスプリント界を席巻した俊足

ムハラー(Muhaarar)は、イギリスで生産・調教された競走馬です。日本語表記では「ムハーラー」とも表記されます。その類まれなスピードと力強さで、ヨーロッパのスプリント界に名を刻んだ、伝説的な競走馬の一生を見ていきましょう。

華麗なる血統とキャリアの幕開け

ムハラーの父は、2003年のジュライカップとナンソープステークスを制し、同年度のカルティエ賞最優秀スプリンターに輝いた名スプリンター、オアシスドリームです。母はターリフという馬で、重賞勝利はありませんでしたが、一般戦で2勝を挙げています。

ムハラーは2014年3月12日、デビュー戦で2着馬に4馬身差をつける圧勝でキャリアをスタートさせました。その後は3着が続きましたが、8月23日に行われたジムクラックステークスで重賞初挑戦ながら、2着馬にハナ差で勝利を収めました。続くG1ミドルパークステークスでは3着と健闘しましたが、トップには届きませんでした。

3歳時：G1レースを席巻した最強スプリンター

3歳となった2015年は、ムハラーの真価が問われる年となりました。4月18日のグリーナムステークスで重賞2勝目を挙げると、続く6月19日には新設レースのコモンウェルスカップで、ライバルと目された有力馬たちを相手に3馬身4分の3差という圧倒的な強さで勝利し、初代王者に輝きました。

7月11日に行われたジュライカップでは、数々の実績を持つ有力馬たちを相手にハナ差の接戦を制しました。8月9日にはフランス遠征でモーリス・ド・ゲスト賞に出走。地元フランスやアイルランドの強豪たちを抑え、2分の1馬身差で勝利を収めました。

そして10月17日、ブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントステークスに出走。このレースは2015年から国際G1に格上げされ、世界各国から強豪馬が集まりました。20頭立ての激戦を2馬身差で制し、見事な勝利でキャリアに幕を閉じました。この活躍により、ムハラーは2015年度カルティエ賞最優秀スプリンターに選出されました。

種牡馬として

引退後はヌンネリースタッドで種牡馬入りし、父オアシスドリームの後継として期待されています。2018年産駒のEshaadaは2021年ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ＆メアズステークスを制覇、2020年産駒のMarhaba Ya Sanafiは2023年プール・デッセ・デ・プーランを制覇するなど、その血統は高い評価を受けています。

まとめ

ムハラーは、その類まれなスピードと強さ、そして勝負強さで、ヨーロッパのスプリント界に大きな足跡を残した偉大な競走馬でした。父オアシスドリーム譲りの才能と、自身の類まれな能力によって、数々のG1競走を制覇し、後世に残る名馬として記憶されています。その血統は種牡馬として受け継がれ、これからも競馬界に貢献していくことでしょう。

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