ムハンマド・アブデルアズィーズ

ムハンマド・アブデルアズィーズ（1947年8月17日 - 2016年5月31日）は、サハラ・アラブ民主共和国（以下、SADR）の政治家であり、ポリサリオ戦線の書記長を務めました。1976年から革命指導評議会議長、1982年からは大統領として、その生涯を閉じるまでSADRを率いました。

生涯

アブデルアズィーズは、1947年にモロッコのマラケシュで生まれました。その後、西サハラ、モーリタニア、南部モロッコなどを転々としながら成長しました。彼の父親は、王立サハラ問題諮問評議会のメンバーでした。

1970年代にはモロッコの大学に通い、1973年に西サハラの住民によって結成されたポリサリオ戦線に加わりました。1976年8月30日には、SADRの革命指導評議会議長に就任し、事実上の元首となりました。その後、SADRの憲法草案作成に携わり、憲法を初めて施行しました。1982年からは、役職名が大統領に変更されました。

アブデルアズィーズは、アルジェリアのティンドゥフにある難民キャンプにSADR政府の本部を置き、そこから政治活動を指揮しました。長年の闘病生活の末、大統領在任中の2016年5月31日に68歳で死去しました。

政策

アブデルアズィーズは、SADRの元首に就任して以来、国家の発展を最優先とする政策を推進しました。また、SADRの社会体制を自由民主主義へと転換し、従来のアラブ諸国の社会体制からの脱却を図りました。この改革により、アメリカ合衆国や欧州連合からの評価は比較的高いものとなりました。

また、モロッコ側との協議を重ねるなど、西サハラ問題の解決に積極的に取り組みました。紛争の平和的解決を目指し、関係各国との対話を重視する姿勢を貫きました。

西サハラ問題における役割

アブデルアズィーズは、SADRの独立と西サハラ地域の自決権を求める運動の象徴的な存在でした。彼のリーダーシップの下、ポリサリオ戦線は国際的な支持を獲得し、西サハラ問題は国際的な注目を集めるようになりました。アブデルアズィーズの死後も、彼の遺志は受け継がれ、西サハラ問題の解決に向けた努力は続けられています。

関連項目

西サハラ
西サハラ問題
* ポリサリオ戦線

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