ムーンライト号 (高速バス)

ムーンライト号：大阪・福岡を結んだ夜行高速バスの歴史

ムーンライト号は、かつて大阪と福岡を結んでいた夜行高速バス路線です。1983年から2017年まで、34年間にわたり運行されました。本記事では、ムーンライト号の歴史や運行ルート、派生系統である「ちくご号」や期間限定で運行されていたUSJ線についても解説します。

ムーンライト号の概要

ムーンライト号は、1983年3月24日に中国自動車道が全通したのを機に運行を開始しました。大阪と福岡を直結する夜行バスとして人気を集め、他のバス事業者が夜行高速バスに参入するきっかけとなりました。

ムーンライト号は、日本の夜行高速バスの歴史においてエポックメイキングな存在であり、以下の点で先駆的な役割を果たしました。

起終点事業者による共同運行
運賃収入をプールし、走行距離に応じて配分するプール精算制の採用
2人がけ4列シートを打ち破った1人がけ独立3列シートの導入

最盛期には、特急便や筑豊便も設定され、平日でも満席になることが多くありました。週末や連休には続行便が5台以上出ることも珍しくありませんでした。

しかし、1990年代後半からバブル崩壊の影響や新幹線の高速化、フェリーの設備向上などにより利用客が減少。2000年代に入ると、格安高速バスやLCCの台頭により、さらに利用客が減少しました。

ムーンライト号は、運賃の見直しや運行経路の変更など様々な対策を講じましたが、採算面での改善には至らず、2017年3月31日をもって運行を休止しました。

運行会社

阪急バス（運行開始日～2003年1月30日）
阪急観光バス（2003年1月31日～運行休止日）
西日本鉄道（運行開始日～運行休止日）

運行経路・停車停留所

太字は停車停留所。関西地区内および福岡地区内のみの相互利用は不可。

京都駅八条口 - 高速長岡京 - 千里中央 - 新大阪 - 大阪梅田 - ユニバーサル・スタジオ・ジャパン - 神戸三宮 - 小倉駅前 - 砂津 - 黒崎インター - 博多バスターミナル - 西鉄天神高速バスターミナル

派生系統

ちくご号

ちくご号は、大阪と福岡県筑後地区を結んでいた夜行高速バスです。ムーンライト号の久留米・大牟田地区からの予約が多いことを受けて運行を開始しました。1999年1月31日に廃止されました。

福岡・北九州 - ユニバーサル・スタジオ・ジャパン線

2014年7月18日から12月16日まで運行された期間限定の夜行高速バスです。ムーンライト号がUSJに停車するのに伴い、運行を終了しました。

車両

ムーンライト号には、三菱ふそう車が使用されていましたが、2007年には阪急観光バスが日野自動車製のニューセレガを導入しました。かつては、両社共通の塗装が採用されていました。

競合他社

航空便や新幹線のほか、フェリーも競合していました。また、近年では格安高速バスやLCCの台頭により、競争が激化していました。

まとめ

ムーンライト号は、日本の夜行高速バスの歴史において重要な役割を果たした路線です。34年間の運行で、多くの人々に利用されました。運行休止は残念ですが、その功績は長く語り継がれるでしょう。

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