メアリー (グロスター＝エディンバラ公爵夫人)

メアリー王女：グロスター＝エディンバラ公爵夫人

メアリー王女（1776年4月25日 - 1857年4月30日）は、イギリス王ジョージ3世とシャーロット王妃の間に生まれた15人の子供たちのうちの11番目、四女にあたります。彼女は従兄にあたるグロスター＝エディンバラ公ウィリアム・フレデリックと結婚しました。

生涯

メアリー王女は、両親の愛情深い庇護のもと、姉妹たちと共に生活を送りました。彼女はジョージ3世の6人の娘の中で最も美しいと評され、1796年頃には、亡命中のオランダ総督ウィレム5世の息子フレデリックと恋に落ちました。しかし、ジョージ3世は娘たちの結婚順序を重視し、2人の結婚を許しませんでした。1799年にフレデリックが戦病死すると、メアリー王女は公に喪に服することを許されました。

1816年7月22日、メアリー王女はバッキンガム宮殿の礼拝堂で、従兄のグロスター＝エディンバラ公ウィリアム・フレデリックと結婚しました。この結婚に際し、メアリー王女の長兄である摂政宮ジョージ王子（後のジョージ4世）は、ウィリアム・フレデリックの敬称を「Highness」から「Royal Highness」に昇格させました。これは、妻と夫の身分を対等にするための措置でした。

グロスター公爵夫妻はバグショット・パークで生活し、ウィリアム・フレデリックの死後はリッチモンド・パークのホワイト・ロッジに移り住みました。夫妻には子供がいませんでしたが、メアリー王女は姪のヴィクトリア女王に慕われていたと言われています。また、長兄のジョージ4世とは非常に仲が良く、ジョージ4世と共に彼の妻キャロライン・オブ・ブランズウィックを激しく嫌っていました。

メアリー王女は、ジョージ3世の15人の子供たちの中で最も長生きし、81歳でその生涯を閉じました。彼女は、激動の時代を生き抜き、イギリス王室の歴史にその名を刻んだ女性でした。

人物

メアリー王女は美貌と優雅さを兼ね備え、社交界でも人気を集めました。彼女は家族を大切にし、特に兄のジョージ4世とは非常に親密な関係を築きました。また、姪のヴィクトリア女王からも慕われるなど、周囲の人々から愛される存在でした。しかし、結婚に関しては、父ジョージ3世の意向に左右され、自身の望む相手との結婚を果たすことができませんでした。その生涯は、王女としての義務と、一人の女性としての感情の間で揺れ動いたものであったと言えるでしょう。

参考文献

* Alison Weir, Britain's Royal Families, Vintage, 2008.

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