メイドはミラクル

メイドはミラクル

『メイドはミラクル』は、日本の漫画家・琴の若子によって描かれた作品です。実業之日本社発行の漫画雑誌『comicキャンドール』にて、2007年のVol.47から2011年のVol.95まで連載されました。掲載誌の休刊という状況を受け、最終話は雑誌掲載ではなく、単行本に描き下ろされる形で完結を迎えました。単行本はマンサンコミックスのレーベルより全5巻が刊行されています。

本作は、かつてオークラ出版の『コミックピンキィ』に連載されていた作者の前作『ふしぎvマイメイド』が、同誌の休刊により未完に終わったことを受け、その時の設定を基盤として、登場人物を一新し再構成された作品として位置づけられています。

ストーリー

物語は、ごく普通の大学生である主人公、赤間政二が、不慮の交通事故で両腕に大怪我を負ってしまうところから始まります。日常生活にも支障をきたすことになった政二のもとへ、実家と大学の先輩から、ある不思議な尿瓶が届けられます。この奇妙なアイテムに政二が触れたその瞬間、目の前にメイド服を纏った二人の可憐な少女が突如として姿を現します。彼女たちは自らを「メイドの国」から遣わされたメイドであると名乗り、政二の身の回りの世話をさせてほしいと熱心に申し出るのでした。こうして、政二と異世界のメイドたちとの奇妙で賑やかな共同生活が幕を開けます。

主な登場人物

赤間 政二（あかま せいじ）
本作の主人公。大学生であり、不運な事故により両腕を負傷したことから、メイドであるメイとミントの「御主人」となります。大学ではミステリー研究会に所属しています。

メイ
政二のもとへ現れたメイドの一人。まだメイドとしては見習いの身分です。感情表現が豊かで、ややツンデレ気味な性格が特徴です。

ミント
政二のもとへ現れたもう一人のメイド見習い。以前にも別の主人に仕えていた経験がありますが、その際に経験した出来事が深いトラウマとなっており、心に傷を抱えています。

上野 民子（うえの たみこ）
政二が所属する大学のミステリー研究会の会長。政二に対して秘めた好意を抱いています。

柿沢（かきざわ）
政二と同じアパートの隣室に住む人物。政二と同じミステリー研究会の先輩にあたりますが、ほとんど活動に参加しない幽霊部員です。

ミラクル
柿沢に仕えるメイド見習い。作者の前作『ふしぎvマイメイド』のヒロインであり、政二と同じミステリー研究会の先輩である真田由行の友人、大輔のもとに仕えていました。

真田 由行（さなだ よしゆき）
政二の大学のミステリー研究会の先輩。ミラクルが以前仕えていた大輔とは友人関係にあります。

ネイル
真田由行、そして彼の祖父である吉右衛門に専属で仕えているベテランメイド。ミントの姉にあたります。

作中には、「メイド」という異世界の存在が物語の鍵となる要素として登場します。

書誌情報

『メイドはミラクル』全5巻は、実業之日本社よりマンサンコミックスとして刊行されました。

1. 第1巻 ISBN 978-4-408-17140-1 (2008年8月29日発売)
2. 第2巻 ISBN 978-4-408-17204-0 (2009年8月29日発売)
3. 第3巻 ISBN 978-4-408-17257-6 (2010年6月29日発売)
4. 第4巻 ISBN 978-4-408-17311-5 (2011年3月29日発売)
5. 第5巻 ISBN 978-4-408-17363-4 (2011年12月27日発売)

この作品は、日常に突如として現れた異世界の存在と、それによって引き起こされる騒動、そして登場人物たちの人間模様を描いたコメディ作品として、読者に親しまれました。

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