メガシステム1

メガシステム1について

「メガシステム1」は、ジャレコが開発したシステム基板で、68000CPUを採用しています。この基板は、1988年から1992年にかけて、日本マイコン開発と共同で作られたもので、ゲーム業界における重要な技術の一端を担っていました。メガシステム1は、ROM基板の交換が可能な仕組みを採用しており、マザー基板とサブ基板の2層構成で設計されています。

開発と特徴

メガシステム1の開発では、日本マイコン開発が基本設計を行い、ジャレコがその技術を実用化しました。このシステムは、1988年3月に開催された「AOU’88 アミューズメント・エキスポ」で公開され、初期の対応ソフトウェア「P-47」や「キック・オフ」とともにその名が広まりました。その後の販売に際し、名称が「メガシステム1」に変更されました。

本基板の特筆すべき点は、16ビットCPU「68000」をメイン用とサウンド用の2基で搭載していることです。グラフィックス性能としては、32,768色から1,024色の表示能力を持ち、独立して制御できる3層のスクロール面や、最大128個のオブジェクトを同時に表示することが可能でした。さらに、オブジェクトにモザイクや残像などの特殊効果を加えられるため、当時のゲームとしては非常に洗練されたビジュアル表現が実現されました。

サウンドに関しても高機能であり、FM音源（YM2151）を使用した8音と、ADPCM（MSM6295）を用いた8音を扱うことができ、ステレオ出力に対応していました。このような性能から、1988年時点では高性能の部類に入ると評価されました。

接続性とバージョン

メガシステム1は、1986年に制定されたJAMMAコネクタ規格に準拠しており、筐体への接続が非常に簡単に行えるようになっています。また、同基板にはA版とB版の2種類が存在し、サブ基板の接続コネクタ形状が異なります。中には、メガシステム1と同じ性能を持つ1枚基板のソフトも販売されたことがありました。

ソフトウェア展開と人気タイトル

メガシステム1は、1988年5月の発売当初から1989年3月までに6本のソフトの供給を予定していましたが、最終的には1988年5月から1992年9月にかけて12本のソフトウェアがリリースされました。特に、初期に売上を伸ばしたシューティングゲームの「P-47」などが人気を博しましたが、他のジャンルのタイトルについてはあまり注目を集めなかったのが現実です。1990年以降は、年に1作品程度のペースで新作が登場しました。

その後、ジャレコは1988年にメガシステム1と平行して、低価格の基板である「CB（チープボード）シリーズ」の展開をスタートさせ、まずは『魔魁伝説』をリリースしました。この新たなシリーズの開発も、メガシステム1の成功を受けてのものでした。

技術的詳細

性能

• - CPU: 68000 x 2（メイン用・サウンド用）
• - 総プログラム空間: 4Mbit
• - カラー表示: 32768色中1024色
• - スクロール面: 3面（合計32画面分の領域）
• - オブジェクト: 128個（合計65536ピクセル描画、モザイク、残像の特殊効果、高速DMAによる転送）
• - キャラクタージェネレータ: 8x8または16x16ピクセル単位、16色
• - キャラクターメモリ: 最大13Mbit
• - サウンド: FM音源（YM2151）8ch、ADPCM音源（MSM6295）4ch x 2、ステレオ出力
• - その他: 外部通信ポート

こうしてメガシステム1は、多彩なゲーム体験を提供し、数々のゲームに使用される基盤としての立ち位置を確立しました。

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