メガミ文庫

メガミ文庫

メガミ文庫（メガミぶんこ）は、学研パブリッシングが発行し、学研マーケティングが発売を手がけていたライトノベル系統の文庫レーベルです。2004年12月に産声をあげました。

概要と変遷

創刊当初は「読んで萌えろ!」というキャッチコピーを掲げ、主にアニメ作品の小説化を中心に展開していました。しかし、2008年7月31日の刊行分からは全面的な刷新を断行。オリジナル作品の強化に軸足を移し、新人作家の発掘を目的とした「メガミノベル大賞」を新たに設立しました。このリニューアルに合わせて、『メガミマガジン』誌上では2008年11月号より、本レーベルの情報を紹介する「メガミ文庫PARADISE」の連載がスタートしています。この時期からキャッチコピーは「あなたのメガミがここにいる」へと変更されました。

作品の傾向としては、やや専門的あるいは個性的なテーマを扱ったものが散見され、中には『ナナヲ・チートイツ』や『成金』のように、一般的なライトノベルの枠には収まらないようなユニークな作品も世に送り出しています。

装丁の推移

創刊当時の2004年には、背表紙のデザインが同時期のソノラマ文庫に似ており、羽根をモチーフにしたシンボルマークが採用されていました。2008年のリニューアルでは、萌葱色を基調としたデザインに変更され、シンボルマークもアルファベットの「M」を象ったシンプルなものに変わりました。さらに、2009年10月に学研の組織が再編され、発行元が学研パブリッシングとなったことに伴い、二度目の装丁変更が実施されました。この際の背表紙は鮮やかなオレンジ色となり、シンボルマークも鳥が翼を広げた姿を「M」の文字の中に隠し絵のように配したデザインへと刷新されています。

カバー構成の特徴

書籍のカバー構造にも時期による変化が見られます。

2008年7月〜2009年7月刊行分
カバー表折り返しにあらすじを掲載。
カバー背にレーベルロゴ、著者名、タイトル、通巻番号を配置。
カバー裏にイラストを掲載。
カバー裏折り返しに著者およびイラストレーターの紹介を掲載。

2009年10月刊行分以降
カバー表折り返しに著者およびイラストレーターの紹介を掲載。
カバー背にレーベルロゴ、著者名、タイトル、通巻番号を配置。
カバー裏にイラストとあらすじをまとめて掲載。
カバー裏折り返しに既刊情報を掲載。

他の多くの文庫レーベルで見られるような、著者の過去の著作リストを一律に掲載する形式は本レーベルには存在しませんでした。過去の主な著作については、著者プロフィール内で紹介されることが一般的でした。

現在の状況

公式な発表こそありませんが、本レーベルは事実上、休刊していると見られています。紙媒体での最後の刊行は2011年3月に発売された『成金』でした。その後、2012年8月には電子書籍として完全新作の『魔王様げ〜む!』第3巻がリリースされましたが、これはあくまで単発であり、電子書籍レーベルとして定期的に刊行が続いているわけではありません。複数の作家が自身の発言の中で、メガミ文庫からの紙媒体での新作刊行予定がないことを示唆しており、このことが休刊状態であることを裏付けています。

メガミノベル大賞

2008年のリニューアル時に創設された「メガミノベル大賞」は、新たな才能の発掘を目指しました。受賞作が本レーベルから刊行されましたが、受賞者たちがその後も本レーベルを主な活動の場とするケースは多くありませんでした。これは、受賞作の刊行時期とレーベルの休刊時期が近かったため、多くの作家が受賞作の第1巻のみの刊行に留まったことや、複数の作家が他の出版社が主催する小説賞も受賞していたことなどが理由として挙げられます。

以下は、大賞を受賞し、作品が刊行された作家の一部と、休刊後の活動についてです。（入力情報に基づく範囲）

第1回受賞
SOW：他社で活動を継続。
三井雷太：他社で活動を継続。
渡島健康：2012年8月に電子書籍として『魔王様げ〜む!』第3巻を発表。
三門鉄狼：他社で活動を継続。
あだ村むだら：本人SNSプロフィールに「物書きの端くれ」との記載あり。詳細な活動状況は不明。
三三珂：活動状況不明。

第2回受賞
内田俊：他社で活動を継続。
鳥村居子：他社で活動を継続。
久光景：本人ブログに「他社で受賞」「別ペンネームで活動」との記載あり。詳細な活動状況は不明。
伊藤ジロー／土田太郎：活動状況不明。

関連項目

メガミマガジン
メガミマガジンクリエイターズ
もえぎ文庫ピュアリー
文庫レーベル一覧

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