メキシコ・ペソ

メキシコ・ペソ：歴史と概要

メキシコの公式通貨であるメキシコ・ペソは、豊かな歴史と独特の特性を持つ通貨です。この記事では、ペソの歴史、構成、そして現在流通している硬貨や紙幣について詳しく解説します。

ペソの歴史

メキシコ独立後の1821年からしばらくの間は、スペインの通貨体系が使用されていました。スペインの通貨体系は、1エスクード=2ペソ=16レアルという構成でした。しかし、1863年には1ペソを100等分する補助通貨であるセンターボの硬貨が、1866年にはペソ硬貨が発行され、メキシコ独自の通貨体系が徐々に確立されていきました。

その後、ペソの価値は比較的安定していましたが、1970年代に入ると急激なインフレに見舞われ、通貨価値は大きく下落しました。このインフレに対処するため、1993年1月1日にデノミ（通貨単位の変更）が実施されました。このデノミにより、新しいペソ（新ペソ、nuevo peso）が導入され、旧ペソは1000分の1に換算されました。新ペソは一時的に「新ペソ」と呼ばれましたが、1996年1月1日からは再び「ペソ」という名称に戻りました。ISO 4217コードは、デノミ後の新ペソをMXNとしています。デノミ前はMXPでした。3文字目がNなのは、新ペソを表すためです。

2021年には、ペソ紙幣のデザインが刷新されました。特に、新しく発行された50ペソ紙幣は、国際銀行券協会から「Banknote of the Year 2021」を受賞するなど、高い評価を得ています。この50ペソ紙幣は、表面にアステカの首都テノチティトランと国立宮殿から発見された石造の神殿のミニチュア聖戦のテオカリの絵柄、裏面にトウモロコシとメキシコサンショウウオの絵柄が描かれています。

ペソの構成

メキシコ・ペソの基本単位はペソで、補助通貨単位としてセンターボ（1ペソ=100センターボ）があります。ペソの通貨記号は「$」ですが、アメリカ合衆国のドルと混同される可能性があるため、Mex$と表記されることもあります。センターボは¢で表記されます。そのため、混同しやすいです。日本での略称は、メキシコの漢字表記である「墨西哥」に由来する「墨ペソ」です。

硬貨と紙幣

現在流通している硬貨は、10¢、20¢、50¢、$1、$2、$5、$10が一般的によく使用されています。その他に、5¢、$20、$50、$100硬貨も存在します。最新の硬貨は、50¢以下の硬貨がステンレス製、$1以上の硬貨がバイメタル貨となっています。

紙幣は、$20、$50、$100、$200、$500、$1000が発行されています。これらの紙幣はポリマー紙幣であり、耐久性があります。最新の$50と$100紙幣の両面、そして$20紙幣の裏面には、縦長のデザインが採用されています。

為替レート

メキシコ・ペソの為替レートは、米ドルなど他の通貨に対して変動します。最新のレートは、為替情報サイトなどで確認することができます。

まとめ

メキシコ・ペソは、メキシコの歴史と文化を反映した通貨です。その歴史、構成、そしてデザインは、メキシコ経済の変遷と発展を示す重要な指標となっています。ペソの変遷を知ることで、メキシコ経済や歴史への理解を深めることができるでしょう。

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