メキシコ第一帝政

メキシコ帝国（1821年-1823年）

メキシコ帝国（スペイン語: Imperio Mexicano）は、1821年にスペインからの独立を果たしたメキシコが、短期間存在した君主制国家です。一般的にメキシコ第一帝政として知られています。

歴史

独立から帝政へ

1821年9月28日の独立宣言後、メキシコ議会はスペイン国王フェルナンド7世をメキシコ皇帝として迎え、両国が同君連合となることを目指しました。しかし、フェルナンド7世がこれを拒否したため、議会はアグスティン・デ・イトゥルビデを皇帝に推戴しました。

アグスティン1世の治世

1822年5月19日、アグスティン・デ・イトゥルビデは「神の摂理と国民議会による、初代メキシコ立憲皇帝」として即位しました。しかし、皇帝と議会の対立は深まり、イトゥルビデは議会を解散。この強権的な姿勢は、アントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナらの反発を招き、共和制を求める動きが活発化しました。

帝政の崩壊

1822年12月、サンタ・アナらはカサ・マタ綱領を発表し、君主制の廃止と共和制への移行を主張しました。各地で反乱が発生し、イトゥルビデは孤立。1823年3月19日、イトゥルビデは退位し、国外へ亡命。メキシコ帝国は崩壊し、共和制へと移行しました。

背景

ナポレオンの侵攻

1807年のナポレオンによるスペイン侵攻は、メキシコ独立の遠因となりました。スペインの混乱に乗じて、ミゲル・イダルゴが1810年に独立を宣言。以降、11年にわたる独立戦争が繰り広げられました。

独立戦争の英雄たち

ホセ・マリア・モレロス、ビセンテ・ゲレロ、そしてアグスティン・デ・イトゥルビデといった英雄たちが、メキシコ独立戦争で活躍しました。1821年8月24日、イトゥルビデはスペイン副王フアン・オドノフとコルドバ条約を締結し、メキシコの独立を達成しました。

領土

メキシコ第一帝政の領土は、ヌエバ・エスパーニャ本土の大陸の管轄地や各州を含み、旧グアテマラ総督領の領土を含んでいました。

メキシコ帝国は短命に終わりましたが、その後のメキシコの政治に大きな影響を与えました。帝政の崩壊後、メキシコは共和制と君主制の間で揺れ動き、最終的に共和制を確立しました。

もう一度検索