メシエカタログ

メシエカタログについて

メシエカタログ（フランス語: Catalogue de Messier）は、フランスの著名な天文学者シャルル・メシエが作成した星雲、星団、銀河に関するカタログです。このカタログは、メシエが彗星の観測を行う中で、彗星と間違えやすい天体を整理したことが起源とされています。そのため、これを「最初のカタログ」と称する意見もありますが、先行する天文カタログが存在したことも忘れてはなりません。特に、ジョヴァンニ・バッティスタ・オディエルナが作成したカタログについて言及されることがあります。

メシエ自身の観測道具

メシエは多数の望遠鏡を使用し、特にドロンド製の口径9cmの屈折望遠鏡や、ショート社の口径15.2cmのグレゴリー式反射望遠鏡、さらに口径19cmのグレゴリー式反射望遠鏡を好んで使っていたことが知られています。これらの望遠鏡を駆使して、多くの天体を精力的に観測しました。

メシエ天体とその命名法

メシエカタログに収録される天体は「メシエ天体」とも呼ばれ、通常は「M1」、「M2」といった形で表記されます。この表記法の起源はメシエ自身が定めたものではありません。初期には「メシエカタログの1番」といった形式で呼ばれていましたが、後に略されて現在の表記に至っています。

カタログの収録天体

メシエカタログには、M1からM110までの天体が含まれています。ただし、メシエ本人が直接記載したのはM103までであり、その他の天体は彼の死後に追加されたものです。カタログは1774年から1784年にかけて3回に分けて刊行されました。初回の1774年には「Mémoires de l'Academie」にてM45（プレアデス星団）までが発表され、1781年にはM68まで、1784年にM103までが発表されました。これ以降のメシエ天体は、後の天文学者たちがメシエの観測記録に基づきリストに加えたものです。

メシエ天体の追加

メシエカタログには生前のメシエ本人が記録した天体が含まれていますが、M104以降の天体については後の時代にさまざまな天文学者により追加されたもので、次のように分類されます：

• - M104は1921年にカミーユ・フラマリオンによって追加
• - M105、M106、M107は1947年にヘレン・ソーヤー・ホッグによって追加
• - M108、M109は1953年にオーウェン・ギンガリッチによって追加
• - M110は1966年にケネス・グリン・ジョーンズによって追加されました。

メシエ天体の同定

20世紀に入るまで、メシエが記載した位置に天体が見つからなかったケースも存在しました。これに関してはメシエのスケッチ等を基に、未確認の天体を同定したり、間違いを指摘したりすることが行われてきました。例えば、M40は1966年にジョン・マラスにより二重星ウィネッケ4（WNC4）と同定され、M47はT・F・モリスにより赤経の誤記と指摘されました。M102については、M101と重複しているのではないかという説もあり、いまだ結論は出ていません。

参考文献と関連項目

メシエカタログは、天文学の研究や観測において非常に重要な文献であり、その理解には専門書や資料が役立ちます。特に藤井旭著の『全天星雲星団ガイドブック』が有名です。また、メシエカタログは天体カタログとして発展し、ニュージェネラルカタログ（NGC）やメシエマラソンといった関連項目にもつながっています。さらに、国立天文台のウェブサイトでは、メシエ天体に関する詳細な情報が提供されています。

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