メジロマイヤー

メジロマイヤー(Mejiro Meyer)は、1999年3月18日生まれの競走馬です。馬名の由来は冠名に、アルペンスキー選手のヘルマン・マイヤーの名を組み合わせたものです。

2001年9月15日、阪神競馬場の新馬戦でデビュー。デビュー戦は惜しくも2着となりましたが、その後未勝利戦で初勝利を飾ります。

2002年は躍進の年でした。500万下クラスの白梅賞を制し、勢いそのままに挑んだ重賞初挑戦のきさらぎ賞では、アグネスソニックやメガスターダムといった強豪を相手に勝利。重賞初制覇という快挙を成し遂げました。しかし、続くGIレースの皐月賞では18着と大敗。その後も低迷が続きました。

4歳夏には1600万下クラスに降級しますが、降級後もなかなか勝利を手にすることができず苦戦が続きました。しかし、鞍上に武豊を迎えた道頓堀ステークスで約2年ぶりの勝利を挙げると、次走のオーストラリアトロフィーも制覇。この2勝目は、レース前日に亡くなった馬主の北野ミヤへの弔いの勝利として、武豊騎手から語られました。勢いに乗って挑んだ安田記念では、大逃げを試みましたが、18着と大敗。その後、長期休養に入ります。

復帰後もなかなか結果が出ず、低迷が続きましたが、2006年、川田将雅騎手を鞍上に迎えた小倉大賞典で、11番人気という低評価ながら見事に逃げ切り勝ち。実に約4年ぶりの重賞制覇、そしてJRAにおける重賞最長間隔勝利記録を達成しました。これは、佐賀県出身の川田騎手にとって、故郷九州でのJRA重賞初制覇という喜びも重なりました。しかしその後は再び低迷し、2007年11月23日の京阪杯を最後に引退しました。

2008年5月8日、JRA競走馬登録を抹消。引退後は、引退名馬繋養展示事業の助成を受けて福島県南相馬市の仲山トレーニングセンターで余生を過ごしました。2011年東日本大震災の影響で一時北海道に避難しましたが、その後福島に戻り、穏やかな日々を送っていました。

2022年7月4日、23歳で亡くなりました。死因は公表されていませんが、仲山トレーニングセンター代表の佐藤徳氏によると、体調を崩し、数日前に食欲がなくなり、暑さの影響もあったとのことです。

メジロマイヤーの5代母は、1959年の天皇賞・有馬記念を制したガーネツトです。さらに牝系を遡ると、小岩井農場の基礎輸入牝馬であるフロリースカツプに繋がります。

メジロマイヤーは、長く第一線で活躍した競走馬として、多くのファンに記憶されています。その活躍と生涯は、競走馬としての激しさ、そしてその後の穏やかな余生、そして突然の死という、ドラマチックな物語を私たちに伝えています。

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