メタキー

メタキーとは

メタキーは、コンピュータのキーボードに存在する修飾キーの一つです。主に、他のキーと組み合わせて特定のコマンドを実行するために使用されます。最近では「Metaキー」とも呼ばれることがあります。

概要

メタキーの主な機能は、システムによって異なりますが、一般的には文字コードのオクテットの最上位ビットを立てる役割を担います。これにより、通常のキー入力とは異なる操作を実現できます。特に、Emacsのようなテキストエディタでは、メタキーは非常に重要な役割を果たします。

メタキーの用法

メタキーは、コントロールキーと同様に、他のキーと組み合わせてコマンドを入力するために使用されます。例えば、Emacsでは、メタキーとコントロールキーの組み合わせによって、カーソル移動やテキスト操作などの様々なコマンドを実行できます。

具体例として、以下の操作があります。

`C-f`: カーソルを右方向に1文字移動
`M-f`: カーソルを右方向に1単語移動
`C-v`: カーソルを下方向に1画面分移動
`M-v`: カーソルを上方向に1画面分移動

これらの例からもわかるように、メタキーを使用することで、より効率的な操作が可能になります。また、`M-x コマンド` のように、コマンド名を直接入力して実行することもできます。

例えば、`M-x forward-char` と入力すると、カーソルが右方向に1文字移動します。Emacsにおけるメタキーの詳しい使い方については、Emacsのマニュアルを参照してください。

メタキーの実装

メタキーは、もともとマサチューセッツ工科大学のLISPマシンやその後のキーボードに搭載されていた修飾キーであり、「META」と刻印されていました。シンボリックスのキーボードでは「META」または「Meta」、サンのワークステーション用キーボードでは菱形の図形（◆や◇）で刻印されていました。現在でも、PFUのHappy Hacking Keyboardシリーズなど、一部のキーボードにはメタキーが搭載されています。

PC以降の一般的なキーボードにはメタキーが搭載されていないため、オルタネートキーやWindowsキーがメタキーの代用として使用されることが一般的です。また、Emacsなどの一部のソフトウェアでは、Escキーを押してから目的のキーを押すことで、メタキーを押しながら目的のキーを押す操作を代替することもできます。

メタキーと他のキーの関係

Macにおけるコマンドキーは、メタキーとほぼ同じ位置にあり、機能も類似しています。一部のソフトウェアでは、コマンドキーはメタキーとして動作しますが、macOS上ではコントロールキーに近い動作をするため、混乱を招く可能性があります。例えば、Emacsでは `M-w` がテキストのコピーですが、Macではウィンドウを閉じる動作になります。そのため、操作対象のアプリケーションを常に意識する必要があります。

macOSのX11エミュレーションでは、Windowsキーやコマンドキーがスーパーキーに割り当てられることがあります。また、コンポーズキーは、メタキーとして使用されることもあります。

まとめ

メタキーは、特定のソフトウェアで効率的な操作を実現するための重要な修飾キーです。Emacsなどのテキストエディタを利用するユーザーにとって、メタキーの理解は不可欠と言えるでしょう。一般的なキーボードでは、代替キーとしてオルタネートキーやWindowsキーを使用し、ソフトウェアによってはEscキーとの組み合わせでメタキーの代用が可能です。Macではコマンドキーが近い役割を果たしますが、動作の違いに注意が必要です。

関連項目

修飾キー
Happy Hacking Keyboard

外部リンク

* PFUのキーボードコレクション

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