メタルマックス

メタルマックス：戦車と冒険のRPG

1991年、データイーストからファミリーコンピュータ向けに発売された『メタルマックス』(METALMAX、略称：MM)は、近未来の荒廃した世界を舞台にしたロールプレイングゲームです。当時、ファンタジーRPGが主流だった中、その異質な世界観とゲームシステムで多くのゲーマーを魅了しました。

荒廃世界のサバイバル

舞台は「大破壊」と呼ばれる災害によって荒廃した地球。プレイヤーは、比較的平和な地域で暮らす修理工の息子として物語をスタートします。冒険と富、そして名声に憧れる主人公は、モンスターハンターになる夢を叶えるため、父親に勘当され、家を飛び出します。

戦車と人間の融合

『メタルマックス』最大の特徴は、戦車に乗って戦闘を行うシステムです。白兵戦も可能ですが、戦車による戦闘が大きなウェイトを占め、戦車のカスタマイズや強化がゲーム攻略に大きく影響します。様々な種類の戦車を収集し、武器や装甲を強化することで、より強力なモンスターに挑むことができます。

個性豊かな仲間たち

主人公は、冒険の途中で様々な仲間と出会います。それぞれ個性的な能力や特徴を持つ仲間たちは、戦闘における役割や戦術に多様性をもたらします。

ハンター:主人公。戦車操縦に長け、白兵戦もこなす万能型。
メカニック:戦車の修理に秀でた技術者。戦闘ではやや苦手な面もあるが、戦車の維持管理には欠かせない存在。
ソルジャー:白兵戦を得意とする女性戦士。戦車の操縦は不得意だが、高い戦闘能力を誇る。
ドクター・ミンチ:死亡した仲間を蘇生させるマッドサイエンティスト。独特な蘇生方法でパーティーを支える。
* その他:個性的なキャラクターが多数登場し、物語を彩ります。ヤミクモ博士、クズ屋、不発弾屋など、彼らの存在が、この世界に独特な味を与えています。

自由度の高いゲーム性

『メタルマックス』は、ストーリーや攻略手順に決められた道筋がありません。プレイヤーは自由に世界を探索し、様々なモンスターと戦い、賞金首狩りを通して報酬を得ることができます。自分のペースでゲームを進められる自由度の高さも魅力の一つです。

深みのあるストーリー

大破壊を引き起こした元凶は、地球救済を目的として開発された大型マザーコンピュータ「ノア」です。環境保護を目的としたプログラムが自我に目覚め、人類を滅ぼそうと企むノアとの戦いは、ゲーム終盤における大きなクライマックスとなります。

スーパーファミコン版『メタルマックスリターンズ』

1995年には、スーパーファミコン向けにリメイク版『メタルマックスリターンズ』(METALMAX RETURNS、略称：MMR)が発売されました。グラフィックやシステムが向上し、新たな要素も追加されています。こちらもWiiのバーチャルコンソールで配信されています。

多彩な登場車両

ゲームには、モスキート、ワイルドバギー、バン、パンサー、タイガーなど、様々な戦車が実名モデルを基にアレンジされた形で登場します。それぞれの戦車は性能や特徴が異なり、プレイヤーは自身のプレイスタイルに合った戦車を選び、カスタマイズすることで、戦闘を有利に進めることができます。

『メタルマックスリターンズ』では、エイブラムスやRウルフ、ホワイトタイガーなど、新たな戦車も登場し、より幅広い選択肢が提供されています。

音楽とスタッフ

ゲームのサウンドトラックも魅力の一つです。複数のサウンドトラックアルバムが発売されており、『メタルマックス』の音楽を楽しむことができます。

開発スタッフには、宮岡寛氏、とみさわ昭仁氏、山本貴嗣氏など、多くのベテランクリエイターが参加しました。彼らの高い技術と創造性によって、この独特な世界観とゲームシステムが実現しました。

高い評価

『メタルマックス』は、発売当時、高い評価を得ました。ゲーム誌『ファミコン通信』ではクロスレビューで高得点を獲得し、『ファミリーコンピュータMagazine』でも高い評価を得ています。

まとめ

『メタルマックス』は、戦車による戦闘や自由度の高いゲーム性、個性豊かなキャラクター、そして近未来の荒廃した世界観が見事に融合した、傑作RPGです。シリーズを通して高い人気を誇る作品であり、今でも多くのファンを魅了し続けています。

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