山本貴嗣

山本 貴嗣 (やまもと あつじ)

概要

山本貴嗣（やまもと あつじ、1959年1月1日生まれ）は、日本の著名な漫画家でありデザイナーです。彼は山口県防府市の出身で、多くの人気作品を手掛けています。代表作としては『最終教師』、『エルフ・17』、そして『SABER CATS』などがあります。

経歴

彼の漫画家としてのキャリアは、中学時代の同級生である宮岡寛と共に育まれた少年時代のSFへの興味から始まりました。1977年には中央大学文学部哲学科に入学し、漫画研究会に所属。同じサークルには山田貴敏や河合単、みやすのんきなどの仲間もいました。アメコミやフランスのバンド・デシネに影響を受け、特にリチャード・コーベンからは強い刺激を受けました。大学時代には、小池一夫が設立した劇画村塾の一期生として学び、狩撫麻礼や高橋留美子といった著名人との出会いを得ました。

彼のプロとしてのデビューは1978年に『週刊漫画アクション』で発表した読み切り作品「予備校らぷそでぃ」です。この頃、彼は山本一雄というペンネームを使用していました。経済的に自立するまでの期間には、はるき悦巳のアシスタントとして経験を積みました。

1980年代には、スラップスティックSF漫画が主体の作品を多く発表し、『最終教師』や『エルフ・17』のシリーズが特に知られています。作品のスタイルが変化し、1980年代後半には古武術や中国武術に強い興味を持つようになり、シリアスなダーク・ファンタジー作品『剣の国のアーニス』やSFとガン・アクションを融合させた『SABER CATS』を発表しました。これらの作品は、彼の作品における多様なスタイルを象徴するものとなっています。

1998年には馳星周の小説『不夜城』のコミカライズを担当し、以降は近未来を舞台にしたドラッグやガンアクションを取り入れた刑事漫画を多数執筆しています。代表作としては、囮捜査を得意とする女装刑事を描いた『Mr.ボーイ』や、美人女刑事の過酷な状況を描く『弾』、女殺し屋に翻弄される刑事を描いた『紅壁虎』などがあります。

また、漫画家としての活動の他に、ゲームや小説の挿絵などデザイナーとしても多岐にわたる活動を展開しています。彼の大学の先輩である金子隆一はサイエンスライターとしても知られ、後輩にはSF翻訳家の中村融がいます。

作風

山本は、幅広いジャンルの作品を手掛けており、SFや武道をテーマにした作品から、シリアスなものからコメディ作品に至るまで多様性があります。特に、闘う女性が苦難を乗り越えて復讐を果たすプロットが持ち味です。彼の作品にはしばしばネコが登場し、彼自身が飼っていた猫のミケコが漫画のあとがきにたびたび登場していました。

彼のスタイルには、過去のキャラクターの要素が新たなキャラクター設定に流用される傾向があり、初期の作品に登場したキャラクターのモデルが新たな物語に再登場することもあります。このような手法を駆使して、彼は独自のスタイルを確立しています。

代表作

山本貴嗣の代表作には、以下のような作品が含まれます。

• - 最終教師 （1981年 - 1983年）
• - エルフ・17 （1985年 - 1988年）
• - SABER CATS （1990年 - 1995年）
• - Mr.ボーイ （2001年 - 2003年）
• - 弾 （1998年 - 2007年）
• - 紅壁虎 （2005年 - 2007年）

これらの作品は、彼の幅広い才能と多様なテーマへの挑戦を象徴しています。

結論

山本貴嗣は、その独特の視点と多様な作風により、日本の漫画界で固有の地位を築いてきました。彼の作品は多くのファンに支持され続けており、今後の活動にも大きな期待が寄せられています。

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