メタル・チャーチ

メタル・チャーチ (Metal Church)

アメリカ合衆国出身のヘヴィメタルバンド、メタル・チャーチ。1980年の結成以来、スラッシュメタルの隆盛に先駆けて、独自の音楽性を確立し、多くのフォロワーを生み出してきました。NWOBHM（ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル）の要素とアメリカン・ハードロックのテイストを融合させ、卓越した演奏技術と圧倒的なボーカルを武器に、スラッシュメタルの形成に大きく貢献したと評されています。

バンドの歩み

1980年、ギタリストのカート・ヴァンダーフーフを中心にサンフランシスコで結成。初期には、あのメタリカのドラマー、ラーズ・ウルリッヒもオーディションに参加していたという逸話が残っています。1981年には、ボーカリストのデイヴィッド・ウェインが加入し、1984年に満を持してファースト・アルバム『メタル・チャーチ』をリリース。1986年にはセカンド・アルバム『ザ・ダーク』を発表しますが、1988年にデイヴィッドが脱退。

1989年、カートが音楽制作に専念するため一時的に現場を離れ、マイク・ハウを新たなボーカリストに迎え、サード・アルバム『ブレッシング・イン・ディスガイズ』をリリース。1991年には4枚目のアルバム『ザ・ヒューマン・ファクター』を発表し、この時期の作品はバンドの最高傑作との呼び声も高く、評価を高めました。しかし、1994年にマイクが脱退し、バンドは事実上解散。

その後、1998年に再結成を果たし、デイヴィッド・ウェインが復帰。翌年にはアルバム『マスターピース』をリリースしますが、再びデイヴィッドが脱退してしまいます。

2004年からは、ロニー・マンローがボーカルを務め、2014年まで在籍。そして、2015年には約20年ぶりにマイク・ハウが復帰しますが、2021年7月末に急逝。2005年のデイヴィッド・ウェインの死に続き、2人目のレギュラー・ボーカルを失うという悲劇に見舞われました。

しかし、メタル・チャーチは不屈の精神で2023年に活動を再開。ボーカルにマーク・ロペスを迎え、新たな体制でアルバムをリリースし、現在も精力的に活動を続けています。

来日公演

メタル・チャーチは、過去に数回来日公演を行っています。

1991年: 大阪モーダホール、CLUB CITTA'川崎
1994年: 名古屋、CLUB CITTA'川崎
2019年: CLUB CITTA'川崎

また、日本のロック・イベント「LOUD PARK」への参加を表明したことがありましたが、残念ながらいずれも出演キャンセルとなっています。

メンバー

現ラインナップ (2023年5月時点)

マーク・ロペス (Marc Lopes) - ボーカル (2023年- )
カート・ヴァンダーフーフ (Kurdt Vanderhoof) - ギター (1980年-1986年、1998年-2009年、2012年- )
リック・ヴァン・ザント (Rick Van Zandt) - ギター (2008年-2009年、2012年- )
スティーヴ・ウンゲル (Steve Unger) - ベース (2004年-2009年、2012年- )
ステット・ハウランド (Stet Howland) - ドラムス (2017年- )

旧メンバー

数多くのメンバーが在籍していたため、詳細は省略します。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

『メタル・チャーチ』 - Metal Church (1984年)
『ザ・ダーク』 - The Dark (1986年)
『ブレッシング・イン・ディスガイズ』 - Blessing in Disguise (1989年)
『ザ・ヒューマン・ファクター』 - The Human Factor (1991年)
『ハンギング・イン・ザ・バランス』 - Hanging in the Balance (1993年)
『マスターピース』 - Masterpeace (1999年)
『ザ・ウェイト・オブ・ザ・ワールド』 - The Weight of the World (2004年)
A Light in the Dark (2006年)
『ディス・プレゼント・ウェイストランド』 - This Present Wasteland (2008年)
『ジェネレーション・ナッシング』 - Generation Nothing (2013年)
『イレヴン』 - XI (2016年)
『ダムド・イフ・ユー・ドゥ』 - Damned If You Do (2018年)
『コングレゲイション・オブ・アナイアレイション〜殲滅のメタル集会』 - Congregation of Annihilation (2023年)

ライブ・アルバム

『ライヴ』 - Live (1998年)
『ライヴ・イン・ジャパン』 - Live in Japan (1998年)
Classic Live (2017年)

コンピレーション・アルバム

『エレクトラ・イヤーズ 1984-1989』 - The Elektra Years 1984-1989 (2020年)
『フロム・ザ・ヴォルト〜メタル金庫室〜』 - From the Vault (2020年)

外部リンク

公式ウェブサイト
メタル・チャーチ - オールミュージック
メタル・チャーチ - Discogs
メタル・チャーチ - IMDb

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