メダマウオ科

メダマウオ科 (Bathymasteridae)

メダマウオ科は、スズキ目ゲンゲ亜目に属する魚類の分類群の一つで、沿岸性の底生魚を中心に3属7種が確認されています。水族館での展示は稀ですが、その独特な生態や多様な形態は、研究者や一部の愛好家の間で注目されています。

分布と生態

メダマウオ科の魚類は、すべて海水魚であり、北太平洋の沿岸域に分布しています。主に岩礁などの海底に生息し、水深150メートルまでの大陸棚にかけての範囲で見られます。日本近海を含む太平洋北西部には、スミツキメダマウオ、ソコメダマウオ、マダラメダマウオの3種が分布しています。残りの1種と、Rathbunella属、Ronquilus属の2属3種は、アラスカからカリフォルニア沿岸にかけての太平洋北東部に生息しています。

形態

メダマウオ科の魚類は、ハゼに似た細長い体型をしており、最大で全長38センチメートルに成長します。体色は、生息環境や性別によって変化に富んでいます。体側の高い位置を走行する側線が特徴的で、背鰭後端付近まで達しています。鱗は櫛鱗で、表面は平滑なものから強い棘を備えるものまで様々です。また、浮き袋を持たないことも特徴の一つです。

背鰭と臀鰭は長く、体の全長にわたってほぼ均一な高さです。背鰭は43 - 49本の軟条、臀鰭は31 - 36本の軟条で構成されており、それぞれ前端の数本は弱い棘条様になっています。尾柄部は明瞭で、尾鰭後縁は円形または截形です。胸鰭は大きく扇型で、体に対して垂直に位置します。腹鰭は喉の位置にあり、1棘5軟条です。口蓋骨と鋤骨に歯を備え、鰓条骨は6本、椎骨は46 - 55個です。

分類

メダマウオ科は、3属7種で構成されています。ゲンゲ亜目に所属する9科の中で、最も原始的な特徴を残していると考えられています。

メダマウオ属 Bathymaster**
スミツキメダマウオ Bathymaster derjugini
ソコメダマウオ Bathymaster signatus
マダラメダマウオ Bathymaster leurolepis
Bathymaster caeruleofasciatus
Rathbunella 属
Rathbunella alleni
Rathbunella hypoplecta
Ronquilus 属
Ronquilus jordani

参考文献

Joseph S. Nelson, "Fishes of the World Fourth Edition", Wiley & Sons, Inc. 2006年, ISBN 0-471-25031-7
岡村収・尼岡邦夫監修, "日本の海水魚", 山と溪谷社, 1997年, ISBN 4-635-09027-2

外部リンク

* FishBase‐メダマウオ科 (英語)

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