メディケアシステムズ

株式会社メディケアシステムズ

株式会社メディケアシステムズは、かつて存在した日本の販売事業を行う企業です。主に一般用医薬品や健康食品といった製品の取り扱いを手がけていました。

概要と設立経緯

この企業は、製薬会社であるロート製薬株式会社と、医薬品や健康食品などを扱う森下仁丹株式会社が共同で資金を拠出し、2005年7月に設立されました。本社は、出資元の一つであるロート製薬の本社ビル内に置かれていました。

両社はメディケアシステムズの設立に先立つ2003年9月、既に資本面および業務面での提携契約を締結しており、それぞれの事業をさらに発展させていくための多角的な方策について、継続的に検討を進めていました。こうした背景のもと、両社が持つ製品群、長年にわたり築き上げてきた販売ネットワーク、そして培われてきた営業ノウハウを結集・統合することにより、市場における競争優位性を確立したいという両社の意向が合致しました。この合意に基づき、共同での販売事業を行う新会社として、株式会社メディケアシステムズを設立する運びとなったのです。

事業内容

株式会社メディケアシステムズは、設立当初の目的に従い、出資元である両社が製造または販売する製品の販売業務を受託していました。

具体的には、ロート製薬が展開する胃腸薬をはじめとする様々な内服薬、健康食品、そして検査薬などの幅広い製品群を取り扱いました。一方、森下仁丹からは、同社の看板商品である「仁丹」を中心としたリテール事業部門の製品群の販売を受託していました。さらに、ロート製薬の完全子会社であったエムジーファーマ株式会社が製造する製品についても、株式会社メディケアシステムズが販売業務を担っていました。

なお、設立当初の正確な出資比率は公表されていませんが、2008年3月期の時点では、ロート製薬の出資比率が90%に達していたことが、同社の有価証券報告書によって明らかになっています。

解散の経緯

共同での販売事業は一定の成果を上げていたものの、近年のセルフメディケーション（自己治療）意識の高まりと共に、一般用医薬品（OTC）、医療用具、健康食品といった関連市場には顕著な変化が生じました。こうした市場の変化に対応するためには、両社の製品ラインナップや販売戦略の見直しが不可欠であると判断されました。

このような状況を踏まえ、ロート製薬と森下仁丹は、当初株式会社メディケアシステムズの設立を通じて目指した目標は達成されたと判断しました。これに伴い、両社は2012年4月26日、同年6月30日をもって株式会社メディケアシステムズを発展的な形で解散することを発表しました。

そして、発表の通り同年6月30日に正式に解散の手続きを完了しました。

解散後の展開

株式会社メディケアシステムズの解散後、2012年7月からは、ロート製薬および森下仁丹は、それぞれが独自に構築していた流通経路を通じて製品販売を行う方式へと切り替えました。これにより、各社は自社の裁量でより柔軟な販売戦略を展開することが可能となりました。

なお、これまで株式会社メディケアシステムズが販売を手がけていたエムジーファーマ株式会社の製品群に関しては、解散以降、ロート製薬が持つ流通ネットワークに乗せて販売されることになりました。

株式会社メディケアシステムズは短命ではありましたが、ロート製薬と森下仁丹が一時的に販売チャネルを統合し、市場の変化に対応するための戦略的な役割を担った企業として位置づけられます。

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