メトロ (パリ)

パリのメトロ（Métro de Paris）

パリのメトロは市内および一部郊外を結ぶ地下鉄であり、RATP（パリ交通営公団）が運営しています。路線は1号線から14号線まであり、1900年に開通した1号線を皮切りに、時代と共に発展を遂げてきました。特に、アールヌーヴォーやアールデコといった様々な建築スタイルが各駅に取り入れられており、その美しさは訪れる人々に感銘を与えています。メトロの路線は主に地下を走行していますが、いくつかの路線は地上部分もあります。

メトロの構成

メトロには主要な3路線、1号線（西から東へ）、2号線と6号線（旧城壁跡を周る北回りと南回り）があり、これらはパリの交通の要所をつなぐ重要な路線です。全体で292駅があり、間に300メートルごとに駅が配置されています。3号線と7号線には独立した支線（3bis、7bis）も存在し、運行効率を改善するために運営されています。最も最近開通した14号線は、無人自動運転であり、デザインも非常に現代的です。

運賃と運行

運賃は均一料金で、2019年時点で全線1.90ユーロです。RERや市内バスと同じ切符で乗り換えることができるため、利便性が高いです。ただし、郊外へ向かう際は異なる運賃が適用されるため、事前の確認が必要です。すべての列車は各駅に停車し、快速や急行運転は行われていません。始発は朝5時頃、最終は深夜1時頃に設定されており、週末や祝日には運行時間が延長されます。

車両と設備

メトロの車両は標準軌（1435mm）を使用し、電力供給は第三軌条方式です。アルストム社が製造する車両は、鉄車輪の外側にゴムタイヤを設置した「MPxx」系と呼ばれるもので、これにより騒音を低減し、乗り心地を向上させています。最近ではホームドアの設置も進められ、安全性も高まっています。

RERとトラムとの連携

メトロに加え、パリにはRER（エール・ウ・エール）という郊外へ延びる高速鉄道やトラムも存在します。RERは郊外との接続を主な目的としており、メトロと同じ切符で乗り換えが可能です。トラムは市内および郊外を結び、主に短距離移動に利用されます。

歴史と展望

メトロは、歴史の中で数回の停滞や運営者の変遷を経験しており、戦争などの影響で路線や残した駅が存在します。現在、メトロは観光ルートとしても人気があり、特にエッフェル塔の近くを走る6号線は観光客にとって貴重な体験の場となっています。将来的には、計画中の新路線や延伸も期待されており、パリの交通機関としての重要性はさらに増していくでしょう。

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