メトロこうべ

メトロこうべ：神戸の地下街を歩く

神戸市にあるメトロこうべは、神戸高速線の高速神戸駅と新開地駅を結ぶ地下街です。この地下街は、単なる通路ではなく、神戸の街の歴史と発展を語る上で重要な役割を果たしてきた場所でもあります。

地下街の魅力：商業施設と憩いの空間

メトロこうべは、高速神戸駅上部の神戸タウンと新開地駅上部の新開地タウンという2つの商業施設を繋いでいます。神戸タウンの東端はデュオこうべにも接続しており、ショッピングや食事を楽しむのに便利な立地となっています。

通路内には、メトロこうべのシンボルともいえる卓球場が2ヶ所あります。メトロTTスタジオとメトロ卓球場は、多くの利用客に親しまれ、地下街に活気をもたらしています。

2024年には、約30年ぶりの大規模リニューアルが行われ、中央広場には「metro+（メトロプラス）」という愛称が付けられました。このリニューアルによって、メトロこうべはさらに魅力的な空間へと生まれ変わっています。

開業の経緯：神戸高速鉄道とターミナル駅の変遷

メトロこうべの建設は、神戸高速鉄道の開業計画と深く関わっています。当初、国鉄神戸駅前に4社の総合ターミナル駅（阪急電鉄、阪神電気鉄道、山陽電気鉄道、神戸電鉄）が計画されていましたが、後に計画が変更されました。

変更後、神戸電鉄は地下路線に変更され、神戸電鉄と阪神電鉄、阪急電鉄、山陽電鉄が接続する新開地駅が設置されることになりました。これにより、神戸高速鉄道のターミナル駅は高速神戸駅と新開地駅の2駅となり、両駅を結ぶ地下通路、すなわちメトロこうべが建設されることになったのです。

高速神戸駅と新開地駅の間の距離はわずか約500メートルです。そのため、両駅を結ぶ地下通路は、単なる連絡通路以上の役割を持つ必要がありました。

開業当初は、駅構造の関係から、山陽電鉄は新開地駅まで、阪急電鉄と阪神電鉄は高速神戸駅までの乗り入れが基本でした。そのため、両駅を結ぶ電車の本数は少なく、新開地駅まで来た利用者は、国鉄神戸駅へ行く際にメトロこうべを通ることが多かったです。

しかし現在では、各社のダイヤ改正により、両駅を結ぶ電車の本数が増加しています。阪急電鉄特急は、新開地止まりの山陽電鉄普通列車や高速神戸止まりの阪神電鉄各駅停車の乗客を、高速神戸駅と新開地駅に迅速に輸送する役割を果たしています。

メトロこうべの未来

メトロこうべは、単なる地下街としてだけでなく、神戸の歴史、交通網の変遷、そして人々の生活を映し出す鏡のような存在です。今後も、多くの人々が行き交い、神戸の街の活気を支える重要な場所として存在し続けることでしょう。リニューアルされた「metro+」を核に、更なる発展が期待されます。

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