メド・オンド

メド・オンド（Med Hondo、1936年5月4日 - 2019年3月2日）は、モーリタニア出身の映画監督であり、アフリカ映画界において重要な人物の一人です。アドラル州アタールで生まれた彼は、映画監督としてだけでなく、声優としても幅広い分野で活躍しました。

映画監督としての業績

オンドの映画監督としてのキャリアは、1960年代後半に始まりました。彼の作品は、アフリカの歴史、文化、社会問題を深く掘り下げ、しばしば植民地主義の影響や人種差別といったテーマを扱っています。初期の作品である「Soleil Ô」（1967年）は、アフリカからの移民がヨーロッパで直面する困難を描いた作品として知られています。

また、1986年に制作された「Sarraounia」は、彼の最も有名な作品の一つです。この映画は、19世紀にフランス軍と戦ったアフリカの女王サラウニアの物語を描いており、アブドゥライエ・ママニの小説を原作としています。この作品は、フェスパコ（アフリカ映画祭）でグランプリを受賞し、国際的にも高い評価を得ました。

オンドの他の主な作品としては、「Roi de Cordes」（1969年）、「Les Bicots-nègres, vos voisins」（1973年）、「West Indies ou les nègres marrons de la liberté」（1979年）などが挙げられます。これらの作品を通して、彼はアフリカの歴史とアイデンティティ、そして社会的不公正に対する強いメッセージを発信し続けました。

声優としての活動

オンドは、映画監督としての活動に加えて、声優としても非常に高い評価を得ています。彼は、エディ・マーフィ、シドニー・ポワティエ、モーガン・フリーマン、カール・ウェザース、ベン・キングズレーといった数々のハリウッドスターのフランス語版吹き替えを担当しました。また、ディズニーアニメ「ライオン・キング」では、ラフィキ役の声を担当するなど、その才能を多岐にわたって発揮しました。

その他の活動

オンドは、映画監督、声優としての活動以外にも、アフリカ映画の発展に尽力しました。彼は、アフリカの映画制作者を支援するための様々な活動にも参加し、若い才能の発掘と育成に貢献しました。

死去

メド・オンドは、2019年3月2日にフランス・パリで逝去しました。82歳でした。彼の死は、アフリカ映画界にとって大きな損失であり、多くの映画関係者やファンから惜しまれました。

主な作品リスト

Soleil Ô (1967年)
Roi de Cordes (1969年)
Les Bicots-nègres, vos voisins (1973年)
Sahel la faim pourquoi ? (1975年)
Nous aurons toute la mort pour dormir (1976年)
Polisario, un peuple en arme (1978年)
West Indies ou les nègres marrons de la liberté (1979年)
Sarraounia (1986年)
Lumière noire (1994年)
Watani, un monde sans mal (1998年)
Fatima, l’Algérienne de Dakar (2004年)

外部リンク

メド・オンド - IMDb（英語）

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