メフメト・アリ・タラート

メフメト・アリ・タラート（1952年7月6日 - ）は、キプロスのトルコ系住民の政治家であり、国際的には未承認の北キプロス・トルコ共和国の第2代大統領を務めました。彼はキプロスの再統一を強く支持する立場であり、その政治活動は国際連合の仲介による再統一交渉と深く関わっています。

タラートはキプロス島北部のキレニア（トルコ語名ギルネ）で生まれました。1977年にはトルコの首都アンカラにある中東工科大学を卒業し、その後、1970年に創設されたキプロスのトルコ人政党である共和トルコ党に入党しました。彼はレフコシャ（ニコシア）選挙区選出の議員として北キプロス議会に議席を得て、政治家としてのキャリアをスタートさせました。

1994年には、民主党と共和トルコ党による連立政権が樹立され、タラートは教育文化相として初入閣を果たしました。その後、副首相にも就任し、政治的な影響力を増していきました。1996年には、共和トルコ党の党首に選出され、党を率いる立場となりました。

2003年12月の総選挙では、タラート率いる共和トルコ党が第一党となり、彼は政権獲得に大きく貢献しました。そして、2004年1月には、当時のラウフ・デンクタシュ大統領によって首相に任命されました。彼は首相として、キプロス問題の解決に向けて積極的に活動しました。

2005年4月には、大統領に就任し、北キプロスの代表として国際的な舞台で活動しました。しかし、2010年4月の大統領選挙では、再統一に消極的なデルヴィシュ・エロール首相に敗れ、大統領の座を退きました。

タラートは、キプロスの再統一問題において重要な役割を果たした政治家の一人です。彼のリーダーシップの下、北キプロスは再統一に向けた交渉を進めましたが、依然として課題は山積しています。彼の政治的な遺産は、今後のキプロス問題の解決に向けても重要な意味を持つでしょう。

関連項目

トルコグランプリ - 2006年、F1トルコグランプリの表彰式で起きた政治的中立を巡る問題は、キプロス問題の複雑さを浮き彫りにしました。
北キプロスの大統領 - タラートは北キプロスの大統領として、その地位と責任を担いました。

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