デルヴィシュ・エロール

デルヴィシュ・エロール：北キプロスの政治を牽引した指導者

デルヴィシュ・エロール（Derviş Eroğlu）は、1938年3月7日に誕生し、北キプロス・トルコ共和国（KKTC）の政治において重要な役割を果たした人物です。国民統一党（NUP）の代表として、首相を三度、大統領を一度務め、北キプロスの政治史に深く刻まれています。

生い立ちと初期のキャリア

エロールは、ファマグスタで生まれ、トルコのイスタンブール大学で医学を学びました。医師としてのキャリアをスタートさせた後、1976年に政界へ転身。当時のキプロス連邦トルコ人共和国の議会議員に選出されました。その後、1976年から1977年まで教育・文化・青少年・スポーツ大臣を務め、その政治手腕を発揮し始めます。1983年11月には、北キプロスの憲法制定会議に参加し、国の基盤作りに貢献しました。

国民統一党の代表として

1983年、エロールは国民統一党（NUP）の代表に就任しました。1985年から1994年にかけて、彼は4期連続で首相を務め、北キプロスの政治を主導しました。その後、一時的に政権を離れましたが、1996年に再び首相に返り咲き、2004年までその地位を維持しました。彼のリーダーシップの下、NUPは北キプロス政治において中心的な役割を果たしました。2009年4月18日の総選挙でNUPは有効投票の44％を獲得し勝利、再び首相に就任。しかし、その翌年、大統領に選出されたため、首相を辞任しました。

大統領としての活動

2010年、エロールは北キプロスの大統領に就任し、1期を務めました。大統領としての任期中、彼は北キプロスの国際的な地位向上や国内の安定に尽力しました。2015年の大統領選挙では、再選を目指しましたが、統合積極派のムスタファ・アクンジュとの決選投票で敗れ、同年4月30日に大統領を退任しました。

家族と私生活

エロールは結婚しており、4人の子供と3人の孫に恵まれています。政治家としての活動の傍ら、家族との時間を大切にする一面も持ち合わせています。

結論

デルヴィシュ・エロールは、北キプロスの政治において重要な足跡を残した人物です。彼の首相としての長期政権、そして大統領としての経験は、北キプロスの歴史と深く結びついています。その政治キャリアは、多くの人々に影響を与え、北キプロスの政治史において重要な存在として記憶されています。

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