メモリアル・スタジアム (ボルチモア)

メモリアル・スタジアムは、メリーランド州ボルチモアにかつて存在した多目的スタジアムです。NFLのボルチモア・コルツ（現インディアナポリス・コルツ）、ボルチモア・レイブンズ、MLBのボルチモア・オリオールズなどが本拠地として使用していました。その歴史は、1922年にヴェナブル・パークという未開発地域に建設されたミュニシパル・スタジアムに遡ります。

歴史

当初はアメリカンフットボール専用の馬蹄型スタジアムとして建設され、アーミー・ネイビー・ゲームなど、多くのカレッジフットボールの試合が開催されました。1944年には、火災で本拠地を失ったMiLBインターナショナルリーグのボルチモア・オリオールズが、ミュニシパル・スタジアムを野球ができるように改修して本拠地としました。同年のジュニア・ワールドシリーズでは、オリオール・パークには入りきらないほどの大観衆が集まり、ワールドシリーズの観客動員を上回るほどの盛り上がりを見せました。

この成功を受けて、ボルチモア市はスタジアムを大規模改修し、1950年に650万ドルをかけた工事が竣工。収容人数31,000人のスタジアムとして生まれ変わりました。改修に併せて、スタジアム名は第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦没者を称え、メモリアル・スタジアムと改称されました。また、ボルチモア出身の英雄、ベーブ・ルースにちなんでベーブ・ルース・スタジアムと呼ばれることもありました。

1953年にはNFLのコルツ、1954年にはMLBのセントルイス・ブラウンズがボルチモアに移転し、オリオールズと改名。両チームともメモリアル・スタジアムを本拠地としました。1970年にはコルツがスーパーボウルを制覇、1975年からはAFC東地区三連覇を達成するなど、輝かしい時代を迎えました。しかし、その後は成績が低迷し、1983年限りでインディアナポリスへ移転。オリオールズも1988年に新球場建設を発表し、1992年にオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズへ移転しました。

1994年からはCFLのスタリオンズ、1996年からはNFLのレイブンズが本拠地として使用しましたが、いずれも短期間で終わりました。メモリアル・スタジアムは1997年12月14日に閉場し、2001年に解体。その残骸はチェサピーク湾の人工暗礁の形成に利用されました。

主要な出来事

野球
1954年4月15日：MLB公式戦初開催（オリオールズ 3-1 ホワイトソックス）
1958年7月8日：オールスターゲーム開催（ア 4-3 ナ）。長打が出なかったのは史上初
1970年9月13日：フランク・ロビンソンが通算500本塁打達成
1974年9月24日：アル・ケーラインが通算3000安打達成
ワールドシリーズ開催：1966年、1969年 - 1971年、1979年、1983年
* 1991年10月6日：最後のMLB公式戦（タイガース 7-1 オリオールズ）

メモリアル・スタジアムは、ボルチモアのスポーツ史に深く刻まれた、記憶に残るスタジアムでした。

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