メモ帳

メモ帳：Windowsと共に歩むシンプルなテキストエディタ

メモ帳は、Microsoft Windowsに標準で搭載されているテキストエディタです。1983年、マイクロソフトのマウスに付属していたMS-DOS用テキストエディタを起源とし、Windowsの全バージョンに搭載され、多くのユーザーに親しまれてきました。Windows 11ではMicrosoft Storeから入手できるようになりました。

基本機能と特徴

メモ帳はテキストファイルの閲覧、編集、保存といった基本的な機能を備えています。検索、置換機能（Windows NT 4.0以降）も搭載していますが、高度な編集機能は備えていません。シンプルさを追求した設計が特徴で、他のテキストエディタに比べて軽量で起動が速いという利点があります。そのため、システムリソースが限られた状況下での作業にも適しています。Windows PE環境など、通常のWindows環境が利用できない場合でも、メモ帳は復旧作業で役立ちます。また、かつてはInternet Explorer 7以前のソースビューアとしても利用されていました。

バージョンによる機能差と進化

Windowsのバージョンアップに伴い、メモ帳にも機能追加や改良が加えられてきました。

初期のバージョンではファイルサイズに制限があり、大容量ファイルの編集は困難でした。また、置換機能やUnicode対応も後のバージョンで追加されました。Windows 10では、検索時の折り返し機能、テキストの拡大縮小機能、読み込み速度の改善などが行われ、大幅な機能強化が図られました。さらに、Windows 10 バージョン1903からはUTF-8（BOMなし）での保存に対応し、新規ファイルのデフォルト文字コードにも変更されました。

Windows 11ではUWPアプリとして生まれ変わり、デザインが刷新されました。タブ機能、ダークモード、自動保存機能が追加され、ユーザーインターフェースが大幅に向上しています。さらに、アンドゥ・やり直し機能の回数制限が撤廃され、絵文字のカラー表示にも対応するなど、利便性が向上しました。従来のメモ帳も引き続き利用可能です。

独自の機能

メモ帳にはいくつかの独自の機能があります。

右端での折り返し表示: 長いテキストをウィンドウ幅に合わせて折り返して表示するか、スクロールして表示するかを選択できます。ただし、日本語の禁則処理機能はありません。過去のバージョンでは、この機能に特有の挙動がありましたが、Windows 10以降では修正されています。
日付と時刻の挿入: ファイルの先頭に`.LOG`と入力して保存し、以降ファイルを開くたびにタイムスタンプが追記される簡易的な日誌機能があります。また、メニューやF5キーで任意の時点のタイムスタンプを挿入することもできます。タイムスタンプの書式はWindowsの設定に依存します。
* 自動保存: Windows 11以降では、自動保存機能が搭載されました。ウィンドウを閉じても、次回起動時に編集内容が復元されます。タブを閉じる際は従来通り保存の確認が行われます。

文字コード対応

メモ帳は、[ASCII]]以外の文字コードにも対応していますが、対応している文字コードはバージョンによって異なります。Windows 8以降のバージョンでは、Shift JIS(Microsoftコードページ932)やUnicode]に対応しています。ただし、EUC-JPやISO-2022-JPなどには対応していません。対応していない[[文字コードで作成されたファイルを開くと、文字化けが発生する可能性があります。

歴史

メモ帳の原型は、1983年にマイクロソフトから発表されたMS-DOS用のテキストエディタ「Multi-Tool Notepad」です。これは、マウス操作に対応したテキストエディタとして注目を集めました。その後、Windows 1.0以降、Windows標準のテキストエディタとして搭載され、現在に至っています。当初はシンプルな機能しかありませんでしたが、Windowsの進化とともに機能が追加・改良され、現在の形になりました。

まとめ

メモ帳は、Windows OSと共に長く進化を遂げてきた、シンプルで使いやすいテキストエディタです。基本的なテキスト編集を迅速に行うのに最適であり、多くのユーザーにとって馴染み深いツールです。Windows 11での機能強化により、さらに使いやすくなっています。

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