メリケンキアシシギ

メリケンキアシシギについて

メリケンキアシシギ（メリケン黄足鷸、学名：Tringa incana）は、チドリ目シギ科に分類される鳥の一種です。この鳥は主に北アメリカのアラスカ南部で繁殖し、冬の間はカルフォルニア、メキシコの西海岸、南太平洋の島々、さらにはオーストラリアの東岸に移動して越冬します。日本では、春の渡りの時期に少数の個体が太平洋側で観察され、小笠原諸島、伊豆諸島、関東では定期的に確認されていますが、それ以外の地域ではまれにしか見かけられません。越冬が記録されていることもあります。

分布

この鳥は北アメリカのアラスカ南部を繁殖地としており、冬のシーズンになると南へと移動します。越冬地では、カルフォルニア、メキシコ西岸、南太平洋の離島、さらにはオーストラリアにいたります。日本では旅鳥として春に飛来し、特に太平洋側で観察されることが多いです。しかし、その他の地域での観察例は限られており、時折しか目にすることができない稀な存在でもあります。

形態

メリケンキアシシギは全長約28cmの中型の鳥です。成鳥の夏羽は体全体が暗い灰褐色で、白い腹部には灰褐色の縦の模様が多く見られます。嘴の色は黒く、足は特徴的な黄色をしています。冬羽に変わると、腹部の縦斑が消え、淡い灰褐色の体色になります。静止しているときには、翼の先端が尾よりもやや突出している姿が確認できることが多いです。性別による見た目の違いはなく、雌雄同色です。

生態

この鳥は非繁殖期においては、主に岩礁や磯などの海岸環境に生息していますが、干潟や水田での姿はあまり見られません。食性はカニやゴカイ、貝類などの海洋生物に加え、昆虫も食べています。繁殖期には山岳地帯の河川沿いに生息し、地表に巣を作ることで知られています。また、特徴的な鳴き声を持っており、「ピリリリリ」や「ピッピッピッ」といった短い音でコミュニケーションをとることが観察されています。

参考文献

• - 叶内拓哉『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』、山と溪谷社、1998年
• - 真木広造他『日本の野鳥590』、平凡社、2000年

関連項目

• - 日本の野鳥一覧

このように、メリケンキアシシギはその生息環境や繁殖行動、特有の見た目から日本でも関心を寄せられている野鳥です。

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