メリー・クリスマス・エヴリバディ

スレイド「メリー・クリスマス・エヴリバディ」

「メリー・クリスマス・エヴリバディ」（Merry Xmas Everybody）は、イギリスのロックバンド、スレイドが1973年に発表した楽曲です。発売から半世紀近く経った今もなお、クリスマスの定番ソングとして世界中で親しまれています。

誕生の背景

この曲は、スレイドが「クリスマスソングを作ろう」というテーマのもとで制作されました。きっかけは、メンバーのジム・リーの義理の母から「『ホワイト・クリスマス』のような曲は書かないの？」と尋ねられたことでした。リーはシャワー中に曲のアイデアを思いつき、1967年にノディ・ホルダーが没にした「Buy Me a Rocking Chair」という曲の一節を引用しました。

サビの歌詞は当初、サイケデリックな影響を受けたものでしたが、リーは義理の母の言葉を思い出し、「So here it is, merry Christmas」というフレーズを考案しました。ホルダーはこのアイデアを気に入り、徹夜で歌詞を書き上げました。

レコーディング秘話

レコーディングは1973年9月にレコード・プラント・スタジオで行われました。5日間かけて行われたレコーディングでしたが、メンバーは完成した音源に満足せず、後にリレコーディングされました。コーラスは、エコー効果を高めるためにスタジオが入っているビルの廊下で録音されました。

レコーディング当時、蒸し暑い日だったため、ビルに出入りするビジネスマンたちは、クリスマスソングを歌うバンドを不思議そうに見ていたというエピソードが残っています。

リリースとチャート成績

1973年12月7日にシングル盤が発売されると、全英シングルチャートで初登場1位を獲得し、その後5週連続で1位を記録しました。1974年2月9日まで9週連続でチャートインし、英国レコード産業協会からゴールドおよびプラチナ認定を受けています。

発売から6年後の1980年以降は、毎年クリスマスシーズンになるとチャートインする傾向にあります。

プロモーション

スレイドは、クリスマス商戦に向けてテレビ出演を重視したため、ミュージック・ビデオは制作されませんでした。しかし、『トップ・オブ・ザ・ポップス』などの音楽番組で頻繁に披露され、その人気を不動のものとしました。2021年になって初めて、公式YouTubeチャンネルでアニメーションによるミュージック・ビデオが公開されました。

数々のカバーバージョン

「メリー・クリスマス・エヴリバディ」は、数多くのアーティストによってカバーされています。4スキンズ、ザ・キュアー、ザ・ミッション、スパイス・ガールズ、オアシスなど、ジャンルを超えた様々なアーティストが独自の解釈でこの曲を歌い、新たな魅力を引き出しています。

まとめ

スレイドの「メリー・クリスマス・エヴリバディ」は、時代を超えて愛されるクリスマスの名曲です。その誕生の背景やレコーディング秘話、数々のカバーバージョンを知ることで、この曲の魅力をさらに深く理解することができるでしょう。今年のクリスマスも、この曲を聴いて温かい気持ちで過ごしてみてはいかがでしょうか。

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