メルヘンメイズ

メルヘンメイズ (Märchen Maze)

概要

1988年、ナムコがリリースした『メルヘンメイズ』は、アーケード用のアクションシューティングゲームで、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を題材にしています。本作は、N.H.SYSTEMが開発を手掛け、ナムコのアーケード基板「SYSTEM I」で稼働し、キャラクターデザインにはANO清水が採用されました。ゲームは非常にユニークで、アリスを主人公に、シャボン玉を使いこなして敵と戦いながら鏡の世界を冒険するという内容になっています。1990年にはPCエンジン、1991年にはX68000に移植され、さらに2009年にはWiiのバーチャルコンソールアーケードでアーケード版が配信されました。大きな話題を呼んだ本作は、1988年度の『ゲーメスト大賞』でベストグラフィック賞7位、ベストVGM賞8位を獲得しています。

ゲームプレイ

ゲームの目的は、時計うさぎに導かれて鏡の世界に飛び込んだアリスを操作し、シャボン玉を駆使して闇の女王から世界を解放することです。各面は、長方形の床パネルから構成されたフィールドで、ボスが待ち受けるエリアへの道を進む必要があります。注意すべきは、フィールドが空中に浮いているため、床から落下するとミスとなり、プレイヤーは慎重に移動しなければなりません。敵キャラクターを倒すためには、シャボン玉を利用して床から押し出すことで得点が得られます。

各面には180秒の制限時間があり、時間内にボスに到達し、倒さないと時間切れモンスターが現れ、接触するとミスになります。さらに、リアルに感じられる3D感を出すために、床の構造や障害物も多様で、プレイヤーはそれを利用しながら攻略していく必要があります。

キャラクターと敵

主人公のアリスは、少女でありながら強い意志を持ち、シャボン玉を武器に戦い続けます。アリスは時間切れモンスターと接触すると泣き出す悲しげな一面も持っています。敵キャラクターは、各面ごとに特有のボスを含む多様な仲間たちが存在し、例えば、1面目のボスにはほうきの魔女「ミヤーシャ」、2面目にはおもちゃの鳥「デッドルースター」がいます。

ステージ構成

ゲームは9つの異なる国を舞台に構成されており、それぞれの国には異なるテーマが設定されています。例えば、1面目のおかしの国では、ボス「ミヤーシャ」と戦い、その次はおもちゃの国で「デッドルースター」に挑戦します。最後は、闇の女王が支配する女王の国で決戦を繰り広げます。

移植版

ゲームは様々なプラットフォームに移植され、PCエンジン版では縦スクロールに変更されるなどの改良が施されました。X68000版は業務用に忠実な移植で、バーチャルコンソールアーケード版では完全に元の形式を再現しています。

音楽

ゲームのBGMは川瀬知香が担当しており、音楽としての完成度も高いと評判です。音楽の制作は、当時の技術を駆使して行われ、プレイヤーに思い出深い体験を提供しています。

結論

『メルヘンメイズ』は、その魅力的なアートスタイル、ユニークなゲームプレイ、そして幻想的な世界観でプレイヤーを引き込んでいます。ナムコが生んだ傑作アクションゲームとして、今なお多くのファンに愛されています。

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