メル・ホール

メルビン・ホール・ジュニア：光と闇を抱えた野球人生

メルビン・ホール・ジュニア（Melvin Hall Jr.）は、1960年9月16日、アメリカ合衆国ニューヨーク州ウェイン郡出身の元プロ野球選手です。外野手として、MLBとNPBで活躍しましたが、その野球人生は光と闇に彩られています。

MLBでのキャリア

1978年のMLBドラフト2巡目でシカゴ・カブスに入団し、1981年にメジャーデビュー。その後、クリーブランド・インディアンス、ニューヨーク・ヤンキースと渡り歩きました。メジャーでは主に4番打者として起用されましたが、突出した成績は残せず、シーズン20本塁打や100打点に到達することはありませんでした。守備や走塁にも課題があり、スター選手と呼ぶには及ばないものの、本人はスター然とした振る舞いを見せていたと言われています。

千葉ロッテマリーンズでの活躍と問題行動

1993年、千葉ロッテマリーンズに破格の待遇で入団。4番打者として打率、本塁打、打点、盗塁のチーム四冠王に輝き、OPSはリーグ1位を記録しました。しかし、守備難のため、ほぼ指名打者として出場。その傍若無人な振る舞いが問題視されました。

チームメイトへのいじめ、首脳陣への反抗など、数々の問題行動が報告されています。愛甲猛は著書でホールを「史上最低の野球選手」と酷評し、小宮山悟や初芝清もその態度を批判しています。

中日ドラゴンズへの移籍と引退

1994年オフにロッテを退団し、1995年中日ドラゴンズに移籍。しかし、両膝の故障により不振に陥り、1シーズン限りで退団。その後、サンフランシスコ・ジャイアンツでメジャー復帰を果たしますが、2003年にアメリカ独立リーグで現役を引退しました。

引退後の逮捕と有罪判決

2007年6月、ホールは過去に指導していた未成年の女子に対するわいせつ行為で逮捕されました。裁判の結果、児童に対する強姦罪などで有罪判決を受け、2009年6月に禁錮45年の刑を宣告されました。

人物像

ホールは、その野球の実力とは裏腹に、素行や人柄に多くの問題を抱えていました。傲慢な態度、チームメイトへのいじめ、首脳陣への反抗など、数々の問題行動が報告されています。MLBでの実績を鼻にかけ、日本の野球を見下すような発言も多かったと言われています。

ロッテ時代の応援歌は、のど飴「ホールズ」のCMソングを原曲としたものでした。皮肉にも、その名前が、彼の野球人生における光と闇を象徴しているかのようです。

メルビン・ホール・ジュニアは、その才能と問題行動によって、多くの人々の記憶に残る選手となりました。

詳細情報

年度別打撃成績（省略）
表彰
NPB
月間MVP：1回 （1993年5月）
IBMプレイヤー・オブ・ザ・イヤー賞：1回 （1993年）
記録
NPB
初出場：1993年4月10日、対オリックス・ブルーウェーブ戦（グリーンスタジアム神戸）
背番号
32 （1981年）
27 （1982年 - 1992年）
23 （1993年 - 1994年）
7 （1995年）
2 （1996年）

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