メレの戦い

メレの戦い (1745年)

メレの戦いは、オーストリア継承戦争中の1745年7月9日、現在のベルギー、メレ近郊で戦われた戦闘です。フォントノワの戦いの後、同盟軍とフランス軍の間で発生しました。

背景

フォントノワの戦いで勝利したフランスは、トゥルネーを占領し、同盟軍の弱点を突いてブリュッセル、ヘント、フランドル、ブラバントなどを脅かしました。同盟軍の総司令官カンバーランド公は、どの都市を防衛するか選択を迫られました。同盟軍にとって重要な弾薬庫はヘントとブリュッセルの2つでしたが、ブリュッセルに比べてヘントの価値が高いと判断されました。しかし、カンバーランド公はブラバントとブリュッセルを防衛し、ヘントには守備兵を増強するだけに留めました。

モーリス・ド・サックス元帥は、デュ・シャイラをヘントとアールストの間にあるメレに偵察に派遣し、橋頭堡を築きヘントを孤立させようとしました。

戦闘の経過

1745年7月9日、モルトケ率いる同盟軍は、ヘントの守備を強化するためにアールストからヘントへ向かおうとしました。しかし、メレ近郊でデュ・シャイラ率いるフランス軍と遭遇し、戦闘が開始されました。

同盟軍は、ロイヤル・スコッツ歩兵連隊を先頭に橋を渡り、フランス軍に突撃しました。奇襲により一時的にフランス軍を押し込みましたが、フランス軍はすぐに反撃を開始し、激しい銃撃戦となりました。地形が騎兵の展開に適さなかったため、同盟軍の騎兵は効果的に戦闘に参加できませんでした。

モルトケは一部の騎兵を率いてヘントへ向かおうとしましたが、フランス軍に阻止され、街道から外れざるを得ませんでした。彼は本隊から分断され、ヘントへ撤退する際に大きな損害を出しました。

ブライ准将は、残りの歩兵と騎兵を率いてフランス軍と交戦しましたが、フランス軍の砲撃と側面からの攻撃を受け、ホントローデ小川の後ろまで後退しました。フランス軍はさらに、モルトケが無視したグラサンの部隊がブライの背後に回り込み、補給路を遮断しました。全滅の危機に瀕したブライは、混乱の中、森や平原を抜けてアールストへ撤退しました。同盟軍は多数の損害を出し、補給物資を失いました。

戦闘の結果

メレの戦いでの敗北により、ヘントは孤立しました。サックスはレーヴェンダール伯爵率いる1万5千人を派遣し、ヘントを包囲しました。7月11日、ヘントは降伏し、大量の補給物資とオランダ軍守備兵がフランス軍の手に落ちました。その後、ブルッヘとアウデナールデもフランス軍に占領されました。

メレの戦いは、オーストリア継承戦争におけるフランス軍の優勢を示す一例となりました。同盟軍は戦略的拠点を失い、戦争の行方に影響を与えることになりました。

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