モア (掃海艇)

ニュージーランド海軍の掃海艇「モア」

「モア」(HMNZS Moa)は、ニュージーランド海軍が運用していたバード級掃海艇の一隻です。ニュージーランドに生息していた固有の鳥、モアの名が付けられています。同名艦艇としては初代にあたります。

艦歴

「モア」は、スコットランドのリースに所在するヘンリー・ロブ社で建造されました。1940年3月22日に起工、1941年8月12日に就役しました。

伊号第一潜水艦撃沈への貢献

1943年1月29日、「モア」は同型艦「キーウィ」と共に、ガダルカナル島カミンボ岬付近において日本の潜水艦「伊号第一潜水艦(伊1)」に対する攻撃を実施しました。爆雷攻撃によって浮上した「伊1」に対し、「キーウィ」が体当たりを敢行。さらに、2隻からの砲撃により「伊1」は座礁、放棄され、最終的に沈没しました。この戦果は、「モア」の艦歴における特筆すべき出来事の一つです。

クリーンスレート作戦への参加

1943年2月、「モア」はラッセル諸島占領を目的としたクリーンスレート作戦に参加しました。しかし、上陸作戦開始の10日前には日本軍が同地から撤退していたため、「モア」は戦闘を経験することなく作戦を終えました。

悲劇的な沈没

1943年4月7日、「モア」はツラギにおいて燃料補給船「アースキン・M・フェルプス」から燃料の補給を受けていた際、日本軍による空襲に遭遇しました。この空襲で「モア」は500ポンド爆弾1発の直撃弾と、2発の至近弾を受け、わずか4分ほどで沈没しました。この攻撃により5名の乗組員が命を落としました。

「モア」の短い艦歴は、掃海艇としての任務に加え、敵潜水艦の撃沈という輝かしい戦果、そして空襲による悲劇的な沈没という、波乱に満ちたものでした。

参考文献

Samuel Eliot Morison, History of United States Navak Operations in World War II Volume6: Breaking the Bismarcks Barrier 22 July 1942 - 1 May 1944, Naval Institute Press, 2010, ISBN 978-1-59114-552-3

外部リンク

Royal NZ Navy's Bird-class ships
Reminiscences RNZN Communications Association
Wreck of HMNZS Moa (T233)

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