モスクワ (ミサイル巡洋艦)

モスクワ（ミサイル巡洋艦）

概要

ロシア海軍においてかつて活躍していたミサイル巡洋艦「モスクワ」は、旧ソ連海軍のスラヴァ級巡洋艦の一番艦です。もともとは「スラヴァ」と呼ばれていましたが、1995年に艦名が変更され、特に黒海艦隊の旗艦として重要な役割を果たしていました。2022年にはウクライナ侵攻に参加するも、同年4月に沈没する運命を辿りました。

艦歴

スラヴァとしての活動

「スラヴァ」は1976年に起工し、1982年に竣工しました。その設計は、敵の空母機動部隊に対抗する力を備えた強力なもので、多くの兵装を持っていました。1984年には黒海艦隊に編入され、国際的なイベントにも参加しました。特に、1989年に行われたマルタ会談では、その存在が注目されました。

1995年には艦名が「モスクワ」に改名され、黒海艦隊の旗艦として位置づけられました。以降、様々な国への訪問や、軍事演習に参加するなど、多くの活動を展開しました。

沈没の経緯

2022年のウクライナ侵攻では、モスクワはズミイヌイ島への攻撃に従事しました。島にいるウクライナ軍に対して降伏を呼びかけましたが、返答は「ロシアの軍艦よ、くたばれ」というものでした。その後、モスクワはウクライナ軍のネプチューン対艦ミサイルに攻撃され、火災が発生。最終的に、艦は沈没しました。

ウクライナおよびアメリカの情報源は、ネプチューンミサイルが艦に命中したと主張していますが、ロシア側は火災や弾薬の爆発によるものであると説明しました。これにより、モスクワの沈没は、日露戦争以来、他国の軍の攻撃でロシア艦隊が沈没した初めての事例となりました。

沈没後の状況

モスクワの沈没に関して、ロシア国防省は乗組員が全員撤退できたと主張していますが、乗組員の家族からは連絡が取れないという声も報じられました。4月22日には初めて死傷者に言及し、死者1名と行方不明者27名の存在が確認されました。

また、ウクライナ側は、モスクワの沈没を受け、新たなダイビングスポットができたと発表。これには文化遺産としての意義も含まれています。

軍事的なインパクト

モスクワの沈没は、ウクライナにとって大きな勝利であり、特に対艦ミサイルの運用能力が証明された瞬間でもありました。ロシア海軍にとって、この出来事は戦略や戦術に影響を与える可能性が高いと考えられています。今後、モスクワ級の艦船がどのような役割を果たすのか、その動向に注目が集まります。

まとめ

モスクワは、その軍歴と喪失が語るように、数々の歴史的背景を持つ艦船でした。ウクライナ侵攻における沈没は、海戦史において特筆すべき出来事となり、今後の軍事戦略に影響を与えることでしょう。

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