モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団（Moscow Philharmonic Orchestra）は、モスクワに本拠地を置く、ロシアを代表するオーケストラの一つです。ロシア語では「Академический симфонический оркестр Московской филармонии」と表記され、モスクワ国立フィルハーモニック・アカデミー交響楽団とも呼ばれます。

歴史

1951年、指揮者のサムイル・サモスードによって創設されました。当初は「モスクワ・ユース管弦楽団」という名称でしたが、1953年に現在の名称に変更されました。楽団は、創設当初からその高い演奏技術と音楽性で注目を集め、瞬く間にロシアを代表するオーケストラの一つとなりました。

特に、キリル・コンドラシンが首席指揮者を務めた時代には、活発なレコーディング活動や国外演奏旅行を行い、国際的な評価を確立しました。1967年には初来日を果たし、日本の聴衆にも深い感銘を与えました。また、チャイコフスキー国際コンクールの本選におけるオーケストラ演奏も担当しており、その名声は広く知られています。

冷戦時代には、西側諸国での公演がしばしば好意的に迎えられましたが、1970年1月20日にアメリカ合衆国ワシントンD.C.で行われた演奏会では、ソビエト連邦におけるユダヤ人に対する処遇に抗議する人々によって演奏が妨害されるという事件も発生しました。これは、楽団が政治的な状況にも影響を受けながら活動してきたことを示す出来事として、歴史に刻まれています。

歴代首席指揮者

モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団は、数多くの優れた指揮者たちによってその歴史が彩られてきました。以下に、主な歴代首席指揮者を紹介します。

サムイル・サモスード（1951年 - 1957年）
ナタン・ラフリン（1957年 - 1960年）
キリル・コンドラシン（1960年 - 1975年）
ドミトリー・キタエンコ（1976年 - 1990年）
ワシリー・シナイスキー（1991年 - 1996年）
マルク・エルムレル（1996年 - 1998年）
* ユーリ・シモノフ（1998年 - 現在）

これらの指揮者たちは、それぞれの時代において楽団の音楽性を高め、国際的な評価を不動のものとしてきました。特に、コンドラシンは楽団の黄金時代を築き、その後の発展に大きな影響を与えたことで知られています。

現在の活動

モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団は、現在もユーリ・シモノフの指揮のもと、世界各地で演奏活動を続けています。その演奏は、常に高い水準を保ち、聴衆を魅了し続けています。また、ロシア音楽の普及にも力を入れており、国内外の音楽祭にも積極的に参加しています。その歴史と実績は、ロシア音楽界において非常に重要な位置を占めています。

公式ウェブサイト

Moscow Philharmonic Orchestra - 公式ウェブサイト

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