モスクワ動物園

モスクワ動物園は、ロシア連邦の首都モスクワにある、由緒ある動物園です。1864年に開園し、ロシアで最も歴史の古い動物園として知られています。園内は、道路を挟んで旧園と新園の2つのエリアに分かれています。

この動物園の最も有名な特徴は、長年にわたるジャイアントパンダの飼育です。1960年代、中ソ対立が激化する以前から、中国からジャイアントパンダが贈られ、飼育されてきました。当時は冷戦の真っ只中でありながら、パンダの飼育を継続できたことは、モスクワ動物園の大きな功績と言えるでしょう。当時、中国国外でジャイアントパンダを飼育していた動物園は、モスクワ動物園とロンドン動物園のわずか2園のみでした。このパンダの飼育は、両国の友好関係の象徴ともなり、国際的な注目を集めました。興味深いことに、日本で1970年に創刊された女性誌『anan』の誌名は、モスクワ動物園にいたパンダの名前が由来であるとされています。

近年、再び中露関係が良好になるにつれて、2019年には中国から新たにジャイアントパンダの「如意」と「丁丁」がモスクワ動物園に贈られました。これらのパンダは、現在も園内で大切に飼育され、来園者の人気を集めています。

入場料金は、大人100ルーブルで、子供は無料となっています。非常にリーズナブルな価格で、家族連れでも気軽に訪れることができます。アクセスも良好で、モスクワ地下鉄の環状線クラスノプレスネンスカヤ駅と7号線バリカドナヤ駅から徒歩圏内に位置しています。

モスクワ動物園は、動物たちとの触れ合いはもちろんのこと、ロシアの歴史や国際関係の一端を垣間見ることができる、魅力的な場所です。ロシアを訪れる際は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。150年以上の歴史を持つこの動物園は、動物たちの保護と、人々への教育に貢献し続けています。今後も、国際的な友好関係を象徴する存在として、その役割を果たしていくことでしょう。

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