モスクワ東洋学院

モスクワ東洋学院

モスクワ東洋学院（ロシア語: Моско́вский институ́т востокове́дения、略称：МИВ）は、1920年に設立され、1954年まで存在した高等教育機関です。ソビエト連邦のモスクワに位置し、東洋学の研究と教育を専門としました。

1. 設立の背景

モスクワ東洋学院の創立に関する発端は、1918年にさかのぼります。ロシアの著名な作家マクシム・ゴーリキーが、ウラジーミル・レーニンに宛てた書簡において、東洋学院の設立を提案しました。これにより、1919年3月4日、レーニンはロシア・ソビエト連邦社会主義共和国人民委員会議の命令書に署名し、旧ラザレフ東洋言語学院を基盤にした新しい東洋学院の創設を決定しました。

1920年9月7日に正式に発足したモスクワ東洋学院は、1921年10月27日にはモスクワに存在していた全ての東洋学関連の組織を統合しました。これにより、インド諸語部門や中近東言語部門は、モスクワ国際関係大学（МГИМО）に吸収される形となりました。学院はナリマン・ナリマノフの名前を冠し、正式には「N. N. ナリマノフ記念東洋学院」と称されていましたが、一般的にはモスクワ東洋学院の名称で広く知られるようになりました。

日本語においては「東洋学専門学校」「東方学院」「東洋大学」といった名称で呼ばれることもあります。

2. 校舎と立地

モスクワ東洋学院は1954年に廃校となりましたが、学院が入居していた建物は現在アルメニア大使館として利用されています。この校舎は歴史ある場所であり、学院の活動があった時代を物語る重要な場所となっています。

3. 著名な出身者

モスクワ東洋学院は、多くの著名な研究者や学者を輩出しました。特に注目される人物には、エフゲニー・プリマコフ（Примаков, Евгений Максимович）、イーゴリ・ラティシェフ（Латышев, Игорь Александрович）、ユリアン・セミョーノフ（Семёнов, Юлиан Семёнович）がいます。これらの人物は、それぞれの分野で重要な役割を果たし、学院の名声を高めました。

4. 関連する日本人

モスクワ東洋学院に関係があった日本人として、勝野金政や佐野学の名前が挙げられます。彼らは日本における東洋学の発展にも寄与し、両国の文化交流の架け橋となりました。

5. 参照項目

モスクワ東洋学院の成立と運営は、ウラジオストク東洋学院など、他の東洋学関連機関と並行して行われていました。これらの機関は、ソ連内外の東洋文化、言語、政治を研究・教育するための重要な役割を果たしました。

6. まとめ

モスクワ東洋学院は、ソビエト時代における東洋学の重要な高等教育機関でした。その活動は学術的な成果に止まらず、国際的な文化交流にも貢献しました。今でもその名残は、学院が存在した建物や著名な卒業生たちによって感じられます。

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