モスラー・MT900

モスラー MT900 (Mosler MT900)について

モスラー MT900は、米国に拠点を置くモスラー・オートモーティブによって製造されたスーパーカーです。この車両は、特に市販バージョンとレース用バージョンが存在し、多様なニーズに応えています。モスラーオートモーティブは2013年にロシオン・オートモティブと統合され、この車両の魅力が引き継がれる形となりました。

モデルの多様性

MT900は多様なバリエーションがあり、特に市販モデルには以下のようなものがあります。

• - MT900：オリジナルの市販モデル
• - MT900R：レーシングバージョン
• - MT900S：2005年に強化され、性能が向上したモデル
• - MT900S フォトン：パフォーマンスパッケージを搭載した特別バージョン
• - MT900 GTR XX：モスラー社の創立20周年を祝う特別モデル

さらに、MT900にはレーシングモデルも存在します。これには、未製造のMT900S GTと2010年のSUPER GTで使用されたMT900Mが含まれます。

MT900の特性

MT900は、著名なデザイナーであるRod Trenneの手によって設計され、900kgという軽量化の目標が掲げられました。車両は、LS6 V8エンジンを後部に搭載し、カーボンファイバーシャーシを特徴としています。出力は350hp (260kW)、トルクは350lb・ft (470Nm)です。この車両は、ポルシェ専用に設計されたZFトランクアクスルを使用しており、エンジンの位置をリアアクスルの前に設置するために逆向きに取り付けられています。実際の車両重量は、目標を少し上回る1,170kg (2,590lb)ですが、それでもMT900は3.5秒で0-60mph (約97km/h)を加速する性能を持ちます。さらに、Car and Driverによるテストでは、1/4マイルを12.0秒で走破し、最高速度は240km/h（150mph）という性能を記録しています。また、価格は164,000米ドル（約1890万円）で、プロトタイプは1台のみ製造されました。

レーシングバージョン - MT900R

MT900Rは、MT900のレースバージョンであり、国際モータースポーツにおいて使用されることを目的として設計されました。2001年にデイトナ24時間レースでデビューし、ロレックス・スポーツカー・シリーズに参加しました。フランスのPerspective Racing teamが2002年にフルエントリーし、クラス5位と総合13位を記録し、その後、ホーマステッド=マイアミ・スピードウェイでのレースで優勝し、シリーズチャンピオンシップで3位を獲得しました。

MT900R GT3

2006年後半には、MT900R GT3が発表され、FIA GT3カテゴリーへの適合が施されました。これにより、インターナショナル GTオープンやオーストラリア GTチャンピオンシップ、GT3規定に準じたイギリスGTチャンピオンシップといったレースへの参加が可能になりました。

MT900Sの性能

MT900Sは、MT900のエンジンに改良が施されたモデルです。最初のプロトタイプは市販モデルより177kg（390lb）重く、出力は65hp（48kW）減少しましたが、改良型は0-60mphのタイムを3.1秒に短縮し、600bhp（447kW）を発揮します。2005年にはアメリカの環境保護庁の認証を受け、公道走行が可能なモデルが販売されました。このとき、価格は189,000米ドル（約2200万円）で、最初の公道モデルは映画監督のジョージ・ルーカスに納品されました。

特別モデル - MT900 GTR XX

MT900 GTR XXは、モスラー社の創立20周年記念モデルとして製作されました。カーボンファイバーとケブラーの複合素材を使用し、車両重量は1,111kgに抑えられています。驚異的な加速性能を誇り、0-100km/hを3.1秒以下で達成し、最高速度は340km/h以上に到達します。その価格は25万ユーロ（約3165万円）とされています。

まとめ

モスラー MT900は、その性能とデザインから多くの人々に愛されているスーパーカーです。選択肢の豊富さやレースでの活躍により、モータースポーツの世界でも重要な位置を占めています。

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