モトローダー

モトローダー：個性的なカートレースが楽しめるPCエンジン作品

1989年、日本コンピュータシステムよりPCエンジン向けに発売された『モトローダー』(Moto Roader)は、最大5人まで同時プレイ可能な、見下ろし型のカートレースゲームです。個性的なマシンデザインと、独自のゲームシステムで多くのゲーマーを魅了しました。

ゲーム内容：順位と賞金、そしてアイテム

8つのステージを競うレースは、一般的なレースゲームと同様、ステージポイントの合計で勝敗が決まります。しかし、『モトローダー』の大きな特徴は、各ステージでの順位に応じて賞金がもらえ、その賞金で様々なアイテムを購入できる点です。

購入できるアイテムは、ボディ、エンジン、ハンドル、タイヤ、燃料タンクといったマシンの性能を向上させるものから、ニトロ、ホッパー、グレネード、ボンバーといった攻撃的なアイテムまで多岐に渡ります。これらのアイテムを戦略的に活用することで、劣勢を覆すことも可能です。

また、コース設計も独特です。後方に落ち込んでも前方にワープするシステムを採用しており、たとえ一時的に遅れをとっていても、逆転のチャンスは常に存在します。スピードだけでなく、アイテムの使い分けやコース戦略が勝敗を大きく左右する、奥深いゲーム性となっています。デフォルトコースに加え、4つの隠しコースも用意されているため、何度プレイしても新鮮な気持ちで楽しめます。

大張正己氏による個性的なマシンデザイン

『モトローダー』の魅力の一つに、メカニックデザイナー大張正己氏によるカートデザインが挙げられます。アニメ『超獣機神ダンクーガ』など、数々のロボットアニメで知られる大張氏の手による、個性あふれるカートたちは、ゲームの雰囲気を大きく彩っています。独特のフォルムとカラーリングは、当時多くのプレイヤーの心を掴んだと言えるでしょう。

多様な移植版と評価

『モトローダー』は、PCエンジン版以外にも多くのプラットフォームに移植されました。2004年にはWindows用ソフトとしてプロジェクトEGGで配信され、2007年にはWii、2014年にはWii Uのバーチャルコンソールで配信されました。さらに、2013年にはひかりTVゲームやG-clusterでも発売されています。

ゲーム誌の評価では、『ファミコン通信』のクロスレビューで26点、『マル勝PCエンジン』で20点、『PC Engine FAN』の読者投票では21.19点を獲得しました。これらの評価は、当時のPCエンジンソフトの中でも高い位置にランクインしており、その人気ぶりが伺えます。

続編と関連作品

『モトローダー』は、PCエンジン上で続編である『モトローダーII』(1991年)と『モトローダーMC』(1992年)をリリースしています。これらの作品も、前作同様、個性的なカートレースを楽しめる作品として高い人気を誇りました。

まとめ

『モトローダー』は、個性的なカートデザイン、アイテムを使った戦略性、そして独自のゲームシステムが魅力の、PCエンジンを代表するレースゲームの一つと言えるでしょう。現在でも、様々なプラットフォームでプレイすることができるため、当時プレイした方も、初めてプレイする方も、その魅力を体験してみることをお勧めします。独特のゲーム性と大張正己氏による個性的なデザインは、現代においても新鮮に映り、多くのプレイヤーを魅了し続けることでしょう。

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