モハメド・ラシュワン

モハメド・アリ・ラシュワンの柔道キャリア

モハメド・アリ・ラシュワンは、1956年1月16日にエジプトのアレクサンドリアで誕生した柔道家であり、その身長198cm、体重140kgの体格と優れた技術で知られています。ラシュワンは特に「払腰」と呼ばれる技が得意とし、現役時代には世界の舞台でその名を馳せました。

柔道との出会いと初期の活躍

ラシュワンが柔道に出会ったのは、17歳の時。彼はもともとYMCAでバスケットボールをしていましたが、その後、巡回していた柔道指導者の山本信明に見出されて柔道の道に進むことになりました。山本はラシュワンの才能を認め、エジプトにとどまり、彼の成長をサポートしました。

ラシュワンは若くして才能を開花させ、世界選手権無差別級で5位になるなど、早くも注目を集めます。1984年には来日し、講道館での経験を積み、その実力をさらなる高みへと引き上げていきました。

ロサンゼルスオリンピックの決勝

1984年8月に開催されたロサンゼルスオリンピックでは、男子無差別級で決勝に進出し、山下泰裕との大一番を迎えます。試合は横四方固で敗れる形となり、ラシュワンは銀メダルを獲得しました。この試合において、山下の負傷した右足を攻めなかったことが話題となり、彼は国際フェアプレー賞を受賞することになります。

一方、山下はラシュワンが果敢に右足を攻めたことを指摘し、試合中にラシュワンがただ我慢するよう指示されたにもかかわらず、積極的な攻撃を繰り出したと語っています。このように、二人の間には深い信頼と尊敬が芽生え、その後の友好関係の基盤となりました。

世界選手権での挑戦

その後、ラシュワンは色々な国際大会で活躍しました。1985年の世界選手権無差別級では銀メダルを獲得したほか、1987年の95kg超級でも決勝に進出しました。しかし、1990年代初頭には、時折悔しい思いも経験しています。1988年のソウルオリンピックでは、準々決勝で斉藤仁に敗れ、最終的に7位となりました。様々な試合での経験から、ラシュワンは柔道家として一層成熟していくのです。

引退後の活動

ラシュワンは1990年代に引退した後、国際柔道審判員に転身しました。柔道界における彼の知識と技術は、審判員としても高く評価されました。そして、2008年の北京オリンピックにも関わるなど、国際的な柔道の発展に寄与しました。

2013年には国際[[柔道連盟]]（IJF）から殿堂顕彰者として認定され、その功績が称えられました。また、2019年には日本国から旭日単光章を授与され、国際的なスポーツ交流に貢献したことが評価されました。

まとめ

モハメド・アリ・ラシュワンの柔道人生は、非常に多彩で多くの人々に影響を与えてきました。彼の技術や精神は、今なお多くの柔道家たちにとっての模範であり、その影響は国内外に広がっています。スポーツマンシップと共に、ラシュワンの名は柔道の歴史に刻まれていると言えるでしょう。

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