横四方固

横四方固（よこしほうがため）

横四方固は、柔道において使用される抑込技の一つで、国際[[柔道連盟]]（IJF）においても正式な技名として認識されています。この技は、主に相手を仰向けの状態で制御し、動きを封じるために用いられます。IJFでは略称としてYSGが用いられています。

概要

この技の基本的な形は、相手が仰向けに寝た状態で技をかける者がその側方からアプローチします。まず、片腕を相手の首の下に差し込み、後ろ襟を掴んで相手の首を抑えると同時に、もう一方の腕を通して相手の股間付近の帯や下穿きをしっかりと掴みます。その後、自らの胸を相手の体に密着させ、腰を落として相手の動きを封じる姿勢を取ります。

他の格闘技と異なり、横四方固では相手の顔に手を当てることが認められるため、下の者が上の者の顔を下方向に押すことで逃げやすくなります。そのため、技をかける際は、股間を通す基本形以外にもさまざまな方法で相手を抑え込むための工夫が求められます。重要なのは、相手の上体をどれだけ制することができるかです。

試合での実例

横四方固の技術が効果的に発揮された例として、1992年のロサンゼルスオリンピック柔道男子無差別級決勝戦が挙げられます。この試合では、山下泰裕選手がモハメド・ラシュワン選手に対し、見事に横四方固を決め、勝利を収めました。この映像はオリンピックチャンネルで観ることができます。

変則技

横四方固には、いくつかのバリエーションがあります。特に注目すべきは「崩横四方固」です。この技は、相手の左側から制する場合、左手で相手の左肩の下に回り込んで横帯を取り、右手で相手の左下穿きを抑える形で行います。この他にも、相手の動きに応じて手の位置を調整し、効果的に抑え込む方法がいくつかあります。

さらに「胸固」や「胸頭固」といった、横四方固に関連する技も存在します。これらの技では、相手の体を密接に制御することで、より効果的に動きを制限します。特に胸固は、受け手の動きを直接的に制約できるため、技術を極める上での基本とも言われています。

特徴と脱出方法

横四方固は、抑込技の中でも特に相手を抜けることが困難とされています。上からの体重に対抗するために、無理に腕力で押しのけようとすることは、かえって疲労を招くことになります。基本的な脱出の方法としては、まず瞬時にブリッジを行い、数センチでも浮かせることが重要です。その後、横にずれて力のかかる方向を変えつつ相手を制御し、再度密着する動作が効果的です。

まとめ

横四方固は、その多様なバリエーションと、相手を効果的に制御する能力から、柔道や他の格闘技において非常に重要な技術となっています。試合における実践例や、各種派生技も含めて、柔道を学ぶ者にとって貴重な知識と技術を提供します。

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