モハーチ

ハンガリー南部の歴史都市、モハーチ

モハーチは、ハンガリー南部のバラニャ県に位置する都市です。ドナウ川の右岸に広がるこの街は、豊かな歴史と文化を誇り、古くから人々の交流拠点として栄えてきました。

歴史の転換点となった二つの戦い

モハーチの名前は、16世紀と17世紀に発生した二つの重要な戦いで世界的に知られています。1526年のモハーチの戦いでは、オスマン帝国軍がハンガリー王国軍を破り、ハンガリーは長きに渡るオスマン帝国支配下に入りました。この戦いは、ヨーロッパの歴史における大きな転換点となりました。そして、1687年のモハーチの戦いでは、ハプスブルク帝国軍がオスマン帝国軍を撃破し、ハンガリーはオスマン帝国支配から解放されました。この戦いは、オスマン帝国の勢力衰退の始まりを告げるものとなりました。

古代から続く歴史

モハーチの歴史は古代ローマ時代まで遡ります。ドナウ川沿いの戦略的な位置から、古代ローマ時代には宿営地が築かれていました。中世にはハンガリー王国の一部となり、バラニャ県に属していました。オスマン帝国支配時代には、モハチ・サンジャクとして統治され、その後、オーストリアがオスマン帝国から奪還した後に、バラニャ県が再設置されました。

多様な文化が交差する街

モハーチは、多様な文化が交差する街として知られています。1910年の統計によると、人口56,909人のうち、ドイツ語話者、ハンガリー語話者、セルビア語話者、クロアチア語話者など、様々な言語を話す人々が暮らしていました。この多様な言語背景は、モハーチの豊かな文化の形成に大きく貢献しています。

現代のモハーチ

現代のモハーチでは、毎年2月に謝肉祭「ブショーヤーラーシュ」が開催されます。この謝肉祭は、モハーチの伝統文化を象徴するイベントとして、地元の人々だけでなく、多くの観光客も魅了しています。また、モハーチは、クロアチア、ドイツ、ルーマニア、フランス、ポーランド、トルコなど、多くの国と姉妹都市提携を結んでおり、国際的な交流も盛んです。

まとめ

モハーチは、歴史と文化が深く根付いた街です。古代ローマ時代から現代まで、様々な出来事を経て発展を遂げてきました。二度のモハーチの戦い、多様な文化、そして活気ある現代の街並みは、この街の大きな魅力となっています。今後も、モハーチは、歴史と文化を継承しながら、国際的な交流拠点として発展を続けるでしょう。

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