モリス・バーマン

モリス・バーマンについて

モリス・バーマン（Morris Berman）は、1944年8月3日にアメリカ・ニューヨーク州ロチェスターで生まれた歴史家および社会批評家です。彼のキャリアは、コーネル大学で数学を学び、1966年に学士号を取得した後、ジョンズ・ホプキンズ大学で科学史を専攻し、1972年に博士号を取得するという学術的な基盤で進んできました。バーマンは、学術的ヒューマニズムを堅持しつつ、西洋の文化や精神の歴史に関する深遠な探求を行っています。

研究テーマ

バーマンの著作は、一般読者向けにも書かれており、西洋文明の状況について倫理的観点や歴史的責任を論じる内容が多いです。彼は、西洋文明の理解のために啓蒙的なアプローチを取り入れ、著作を通じて例えば「ヨーロッパにおける啓蒙時代の遺産」や「アメリカ文化の歴史的意義」などを強調しています。

彼の主要な著作品には以下のものがあります。

• - 『Why America Failed: The Roots of Imperial Decline』 (2011, Wiley)
• - 『Dark Ages America: The Final Phase of Empire』 (2006, Norton)
• - 『The Twilight of American Culture』 (2000, Norton)
• - 『Wandering God: A Study in Nomadic Spirituality』 (2000, SUNY Press)
• - 『Coming to Our Senses: Body and Spirit in the Hidden History of the West』 (1989)
• - 『デカルトからベイトソンへ 世界の再魔術化 (The Reenchantment of the World)』 (1981, Cornell University Press)

学術職と活動

バーマンは、アメリカ、カナダ、ヨーロッパの様々な大学で教鞭をとってきました。最近では、ワシントンD.C.にあるアメリカ・カトリック大学の社会学部で客員研究員として活動しています。また、彼は2006年にメキシコに移住し、モンテレイ工科大学で客員教授を務めた経験もあります。バーマンはその間も執筆を続けており、季刊誌『Parteaguas』等に寄稿を行っていました。

受賞歴と評価

モリス・バーマンは、数々の賞を受賞しており、特に1990年には著作『Coming to Our Senses』でワシントン州知事著作賞を受けました。さらに、2000年には『The Twilight of American Culture』が2020年の推薦図書に選ばれ、ニューヨーク・タイムズの書評でも特筆すべき本として紹介されました。2013年にはメディア・エコロジー学会から公共の知的活動への優れた貢献として、ニール・ポストマン賞を受賞しました。

主な著書リスト

• - Social Change & Scientific Organization: The Royal Institution 1799 – 1844. (1978)
• - The Reenchantment of The World. (1981) – 日本語訳：デカルトからベイトソンへ
• - Coming to Our Senses: Body and Spirit in the Hidden History of the West. (1989)
• - Wandering God: A Study in Nomadic Spirituality. (2000)
• - The Twilight of American Culture. (2000)
• - Dark Ages America: The Final Phase of Empire. (2006)
• - A Question of Values. (2010)
• - Destiny. (2010)
• - Counting Blessings. (2011)
• - Why America Failed: The Roots of Imperial Decline. (2011)
• - Spinning Straw Into Gold: Straight Talk for Troubled Times. (2013)
• - Neurotic Beauty: An Outsider Looks At Japan. (2015) – 日本語訳：神経症的な美しさ

メディア出演

バーマンは、メディアにも積極的で、2013年にはNHK Eテレに出演し、「思考のオルタナティブ 無と向き合う世界観 モリス・バーマン」という特集が放映されました。

これらの業績からもわかるように、モリス・バーマンは西洋文明や文化史の研究において重要な存在であり、現代社会に対する批評的な視点を提供する貴重な知識人です。

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