モルドヴィア自治ソビエト社会主義共和国

モルドヴィア自治ソビエト社会主義共和国の概要

モルドヴィア自治ソビエト社会主義共和国、通称モルドヴィアASSRは、1934年にロシア・ソビエト連邦内に設立された自治共和国です。この共和国は、モルドヴィン人のための自治地域とされていますが、実際にはエルジャ語話者とモクシャ語話者という二つの民族グループが存在し、ソビエト連邦はこれらの民族を正式に認識していました。モルドヴィアASSRは、約26,200平方キロメートルの面積をもち、ロシアの首都モスクワの南西の地点、ニジニ・ノヴゴロドの近くに位置しています。

地理的には北西部に広がるオカ＝ドン平原と、南東に位置するヴォルガ高地の間にあり、重要な河川であるモクシャ川とスラ川がその土地を流れています。モルドヴィアの首都はサランスクという都市で、ここは地域の政治や文化の中心地として機能しています。

歴史的背景

モルドヴィアの歴史は、1928年7月16日にモルドヴィン自治管区が設置されたことから始まります。わずか数年後の1930年1月には、この管区は沿ヴォルガ連邦管区内のモルドヴィン自治州に昇格しました。さらに、その数年後の1934年12月20日、モルドヴィン自治州が格上げされ、モルドヴィア自治ソビエト社会主義共和国が設立されました。

ソ連の崩壊に伴い、モルドヴィアも他の共和国と同様に自治権の廃止という状況に直面しましたが、1992年3月31日にはモルドヴィア共和国として再び自治を宣言し、ロシア連邦の内部における自治共和国の一つとして位置づけられました。

人口構成

1989年におけるモルドヴィアの人口はおよそ964,132人であり、人口密度は平方キロメートルあたり37人という計算結果でした。しかし、設立以降、モルドヴィアの人口は減少傾向にあり、2009年には約833,031人となりました。この減少の要因は、様々な社会経済的要因や移民の流出が影響していると考えられています。

1987年のデータによると、都市に住む人口は約551,000人、農村部に住む人口は約413,000人とされ、都市と農村の割合は類似した状況にありました。さらに、1979年の民族構成については、モルドヴィン人が約33万9,000人、ロシア人が約59万1,000人、タタール人が約4万6,000人と記録されています。このように、多様な民族が共存する中で、モルドヴィアは自主性を求め続けてきた歴史があります。

まとめ

モルドヴィア自治ソビエト社会主義共和国は、設立当初から現在に至るまで、民族の多様性と自治の奪回を目指した歴史を持つ地域です。様々な背景を持つ人々が集まり、独自の文化や歴史を育んできたこの地域の未来は、さらに発展していくことでしょう。

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