モルモン宣教師

モルモン宣教師について

モルモン宣教師（モルモンせんきょうし）とは、末日聖徒イエス・キリスト教会における公式な伝道者です。彼らは全世界で活動し、約8万人が教えを広めるために各地を訪れています。

宣教師になるための条件

モルモン教会では、18歳から25歳の男女が宣教師としての活動に参加することが奨励されています。宣教師は通常、1年半から2年間、その任務を果たしますが、特別な状況下では30ヶ月間まで延長することが可能です。また、子育てを終えた年配の夫婦も、任期に制限なく伝道を行うことが奨励されています。

宣教師を希望する方は、教会の大管長に申請書を提出し、任命を受ける必要があります。男性は地元のステーク会長によって長老としての聖任を受け、男女ともにモルモン教の神殿で儀式を受ける必要があります。任期が終了した後は、元の教会に戻ることが求められます。

伝道にかかる費用

宣教師は、通常、自分自身で活動費用をまかないます。かつては各宣教師が個別に生活費を負担していましたが、物価の差を考慮し1990年からは均等に負担を分け合うシステムが導入されました。具体的には、宣教師は毎月400ドルを納入する仕組みです。教会員は、若い頃からこの費用を貯金するように指導されており、達成が難しい場合は家族や教会の資金からの支援を受けることができます。夫婦宣教師の場合は、主に自己負担が求められ、教会が航空費やアパートの費用をサポートします。

また、教会員は地域の宣教師を自宅に招き、食事を提供する文化が根付いています。1990年以降、宣教師の生活費を削減するために、より多くの家庭に宣教師を招待することが奨励されていますが、参加が難しい家庭や新しい信者の有無によっては、宣教師は招待を断ることもあります。

宣教師の訓練と活動

宣教師は、全世界に約15の訓練施設で教えを受けます。その中でも、ユタ州プロボ市にあるブリガムヤング大学近くの施設が最大規模です。言語訓練が必要ない宣教師は、通常、3週間の教え方や行動規範、聖典に関する訓練を受けます。一方、外国語を学ぶ宣教師は8週間から12週間の訓練を経て、現地言語をマスターするよう奨励されます。

日本における宣教師らは、鉄道やバス、自転車、船を利用して各地を訪れ、地域のモルモン教徒からの支援を受けながら活動しています。

宣教師の外見と服装

宣教師には、外見や服装に対する厳格なルールが存在します。男性はスーツや白いワイシャツ、ネクタイを着用し、女性はフォーマルなドレスやブラウスとスカートが求められます。ただし、温暖な地域の場合はスーツを着用しないことも許されています。また、常に名札を身につけることが義務付けられています。週に半日設けられた「準備の日」には、カジュアルな服装で活動することができます。

組織と人間関係

教会は世界中に伝道部を設置し、伝道部長がその運営を担当します。夫婦が組織の一部として活動することもあり、各宣教師は伝道部長の管理のもと、役割分担を持って活動します。宣教師は常に同僚と行動をともにし、互いの業務を監視する体制が求められます。

独身の宣教師は伝道中にデートが禁じられており、異性と接触する際にも制限があります。元々は恋愛が許容されていましたが、現在は厳しいルールが定められています。年配の夫婦による伝道活動は奨励されていますが、その期間は柔軟に調整可能であり、再び活動を希望する夫婦も多いです。

結論

このように、モルモン宣教師は教会の教えを広める重要な役割を担っており、厳格な規則に基づいて活動を行っています。その訓練、費用、そして人間関係に関する決まりごとは、彼らの効率的な伝道活動を支える基盤となっています。

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