モンテ・アーヴィン

モントフォード・メリル・アーヴィンの軌跡

モントフォード・メリル・アーヴィン（ Montford Merrill "Monte" Irvin、1919年2月25日生まれ）は、アメリカ合衆国アラバマ出身の野球選手であり、特にニグロリーグとメジャーリーグでの活躍が際立っています。彼は1939年から1960年代にかけてのプロキャリアの中で、数々の記録を打ち立て、野球界に多大な影響を与えました。

ニグロリーグ時代

アーヴィンはニュージャージー州の高校で4種目のスポーツに取り組み、特にやり投げでは州記録を樹立しました。彼の野球キャリアは、ペンシルベニア州のリンカーン大学入学後、ニグロリーグのニューアーク・イーグルスに遊撃手として入団したことから始まります。その際、彼は偽名『ジミー・ネルソン』を使用していたことが知られています。

イーグルスでのプレーを通じて、1940年と1941年のニグロリーグ東西オールスター戦に選出され、また攻撃力でも顕著な成績を残しました。特に1941年には打率.396を記録し、リーグ内での存在感をさらに増していきました。彼はこの年、メキシコリーグへ転身し、そこでの68試合で30本塁打という圧倒的な成績を残し、最優秀選手にも選出されました。

1943年から1945年まで、アーヴィンは第二次世界大戦のため兵役に就きましたが、その後復帰し、プエルトリコのウィンターリーグで再度活躍。1946年には再びニグロリーグに戻り、打率.401で自身二度目の首位打者を獲得し、カンザスシティ・モナークスとのニグロ・ワールドシリーズ制覇にも貢献しました。

メジャーリーグ時代

アーヴィンは1948年にニューヨーク・ジャイアンツと契約し、1951年7月8日にメジャーリーグデビューを果たしました。彼は1951年のシーズンに151試合に出場し、打率.312、121打点を記録し、ナショナルリーグの打点王に輝きました。この年、ジャイアンツはリーグ優勝を果たしましたが、ワールドシリーズではニューヨーク・ヤンキースに敗北しました。それにもかかわらず、アーヴィンはワールドシリーズでの6試合で11安打を記録し、存在を示しました。

また、1952年にはオールスターゲームにも出場しました。ジャイアンツでの7年間は、彼のキャリアの中で最も成功した時期の一つであり、その後、1956年にシカゴ・カブスでプレーして現役引退となりました。

引退後と功績

引退後、アーヴィンは1967年から2年間ニューヨーク・メッツのスカウトを務め、その後1984年までメジャーリーグのコミッショナー事務局で渉外業務に携わりました。彼は1973年にニグロリーグ特別委員会によりアメリカ野球殿堂に迎え入れられ、多様性の重要性を伝える活動にも貢献しました。

さらに、ジャイアンツは2010年5月26日、彼の背番号「20」を永久欠番に指定し、彼の功績を称賛しました。

アーヴィンは2016年1月11日に96歳で亡くなるまで、彼の偉業と影響力を多くの人々に伝え続けていました。彼の足跡は今もなお、多くの野球選手やファンにとってのインスピレーションとなっています。

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