モントリオール理工科大学

モントリオール理工科大学：カナダを代表する工科大学

モントリオール理工科大学（École Polytechnique de Montréal、略称EPMTL）は、カナダ・ケベック州モントリオール市に位置する、1873年創立の名門工科大学です。モントリオール大学に隣接しており、同大学の工学部としての役割も担っています。THE世界大学ランキングにおいても高い評価を受けており、理工系分野における卓越した教育と研究で世界的に知られています。

歴史と発展

当初は製図と工業デザイン教育を目的として設立されましたが、1959年以降は研究活動に重点を移し、現在ではカナダ有数の理工系研究機関へと発展を遂げています。1975年と1989年には本部棟の増築が行われ、2003年には最新の設備を備えたLassonde棟が完成しました。キャンパスの拡張は、研究活動の拡大と学生増加に対応するものでした。現在では12学科、57の研究単位を擁し、活発な研究活動が行われています。しかし、1989年には悲しい歴史として、モントリオール理工科大学虐殺事件が発生し、14名の女子学生が犠牲となりました。この事件はカナダの銃規制強化のきっかけとなりました。

キャンパスと研究施設

モントリオール大学の北側に位置するキャンパスは、本部棟を中心に複数の建物が配置されています。

J. Armand Bombardier棟 (JAB): 本部棟に隣接し、研究活動や大学発ベンチャー企業の育成を支援しています。ボンバルディア社の寄付によって建設されました。
Pierre Lassonde and Claudette MacKay Lassonde棟 (Lassonde): 電気工学科と計算機工学科の建物で、高いエネルギー効率を誇ります。カナダの建築賞を受賞しています。
航空機製造技術センター (AMTC): 航空機産業への技術移転に特化した施設です。
André-Aisenstadt棟: 電気工学、計算機工学、化学工学、数学、工業工学など、複数の分野の研究者が集まる建物です。

その他、Reine-Marie Building、Jean-Brillant Building、Ecricsson Buildingなど複数の建物がキャンパス内に存在します。

教育と学生生活

モントリオール理工科大学は、高い教育水準を誇り、毎年600名の学士、200名の修士、50名の博士を輩出しています。2003年冬学期時点で、5713名の学生が在籍しており、その約20%を留学生が占めています。これはケベック州の大学平均の3倍を超える数値で、モントリオールの多文化性を反映しています。教員数は220名、研究者は150名に上ります。

学科一覧

生体医工学科
化学科
土木工学科
計算機工学科
ソフトウェア工学科
電気工学科
物理学科
産業工学科
数学科
機械工学科
冶金工学科
鉱山学科
* 原子力工学科

世界へのネットワーク

モントリオール理工科大学は、世界各国の大学と活発な学生交流協定を結んでいます。日本からは京都大学、東北大学、早稲田大学、同志社大学など、その他、シンガポール、ドイツ、オーストラリア、フランス、スイスなど、多くの大学との連携があります。

まとめ

モントリオール理工科大学は、歴史と伝統、そして革新的な研究と教育を融合させた、世界的に高く評価される工科大学です。国際色豊かなキャンパスで、多くの学生が世界を舞台に活躍できる人材へと成長しています。その規模、歴史、そして卒業生数は、カナダ、そして世界における理工系教育への貢献を物語っています。

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